【資産運用Q&A】短期豪ドル債オープン(毎月分配型)の減配とAUD動向について
<Q.>(19/Feb./2015)
「短期豪ドル債オープン(毎月分配型)」についてです。
現在保有中ですが2月の分配金が70円から50円に引き下げられました。その理由について知りたいのですが、解説をいただければありがたいです。併せて、為替(豪ドル)の見通しについてもお聞かせいただければありがたいです。よろしくお願いします。
<A.>
◯◯さん、
初めまして、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
それでは、まずファンドの詳細から確認してみましょう。
<短期豪ドル債オープン(毎月分配型)>
【基準価額】 :5,769円(2/18時点)
【純資産総額】 :5,655億円
【毎月分配金額】:50円(70円から減配)
【分配金累計額】:11,035円
【月次レポート】
頂いているご質問への回答からお伝えすると減配の大きな理由は「豪州の政策金利引き下げ」です。2013年8月以来据え置いていた政策金利(2.5%)から過去最低の2.25%へ引き下げる決定を2/3に決定したためです。現在、主要先進国のほとんどは金利引き下げもしくは量的緩和導入をしているので、それに追随して利下げ競争になっています。
また、このファンドの毎月分配金の75%程度は既にタコ足(元本払戻金=特別分配金)で賄われているので、分配金を出し続けることで基準価額の下落要因にしかなってきません。さらに、純資産総額も減少の一途を辿っており、ファンドとしてのパフォーマンスは悪いものです。出来れば早めに売却されることをオススメします。
為替(AUD)推移については、為替推移から確認します。
<AUD/JPY 5年為替チャート>
豪ドル関連のファンドに投資している日本人投資家は多いのですが、まず大前提として、豪ドルは上下のブレ(ボラティリティ)が大きく、ハイリスク・ハイリターンな通貨です。
現在1豪ドル=92円程度で推移していますが、直近の資源価格下落と中国経済やアジア経済成長率の鈍化傾向があるので、数年前のように豪ドルがポジティブに捉えら投資妙味が有る通貨とは判断され難い環境です。更に、豪ドルは割高に推移しているとの指摘も多く、4−6月期には追加の利下げ観測が強いのでもう一弾の下落がありそうです。最終的には商品市況の底入れと中国経済のポジティブな指標発表が継続しないと反転する兆しにはなりそうではありません。
結論としては、このファンドは売却をオススメします。
また円安へのリスクヘッジには米ドルを中心に外貨建てで投資できるオフショアファンド(ヘッジファンド)も考慮に入れて改めて投資戦略を考えられることをオススメします。
代表&投資アドバイザー
眞原 郁哉