【過去の金融危機から学ぶ】スカイマーク倒産と国の破綻
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
今回の資産運用相談ホームページブログでは『スカイマーク破綻と国の破綻』を考えてみたいと思います。
1/28に国内3位の航空会社スカイマーク(9204)が民事再生法を申請し、3/1付で上場廃止になるニュースが流れました。その予兆はあったのか?と言われると難しいところでしょうが、B/S、P/L、C/Fなどの財務諸表上では相当厳しい内容だったことは見て取れます。
今回のスカイマーク(企業)倒産やほぼ財政破綻のギリシャ(国)を考える時は大きく2つの問題点があると考えられます。
1つは「構造的な問題」、もう1つが「流動的な問題」。
前者は、今回のスカイマークのように財務状況が痛み、結果破綻に至るケース。
後者は、今後将来的にキャッシュ・フローが見込めていても、目先の資金がショートしてしまい破綻するケース。例えば、企業の黒字倒産などがそうでしょう。
では、2012年から問題になっているギリシャは?といえば、どちらの問題も抱えていると考えられますが・・・どちらかと言えば、流動的な問題の方が大きいかと思います。
企業の場合は債務超過の結果、民事再生法(破綻する)を申請する場合がほとんどですが、一方、国の場合は国債をドンドン刷って赤字になっていても、例えば大幅な増税や社会保障削減(歳出カット)などの方法でプライマリーバランス(財政収支)を支えることが出来るという違いが挙げられます。
ほぼデフォルトしているギリシャはEUに助けを求めたにも関わらず、上のような厳しい緊縮財政政策に耐えられず、新政権が公約通りの反緊縮策の動きになっています。つまりギリシャ国民は、ギリシャのデフォルト(流動的な問題)への解決方法を放棄しているという事です。それを受けて、ギリシャ国債についてのCDSの保証コストがデフォルト確立70%まで上昇しています。
また国のデフォルトを考える場合、ほとんどニュースに流れてきませんが、産油国である南米ベネズエラもデフォルトがの可能性が高まっています。大統領選挙結果を巡り国内は暴動やデモなど非常に混乱が続いているようで、更に追い打ちをかけるように原油安がベネズエラ経済を苦しめる状況になっています。国内のインフレ率は高まり、財政赤字は悪化の一途を辿っているようです。
では、対GDP比230%を超えるような財政赤字を抱えている我が国日本はどうなのか?という点ですが、金利情勢を見る限り(低金利=日銀が国債を大量に買っている為)、マーケットはまだまだデフォルト懸念をしていないようです。良かった!!
が、日本の財政問題は流動的な問題を抱えていると思われます。
突然明日からこの赤字国債が一気に消えるという事はあり得ないので、今後どこかのタイミングでこの財政問題を解決するには「緊縮財政(増税、社会保障費削減)」という選択肢しか残っていないということです。
このままの状況を歩み続けるのであれば、大きな可能性として増税は続くでしょうし、年金削減も進むでしょう。対外純資産黒字の日本なので、完全なるデフォルトに陥る可能性は低いと思いますが、金利上昇による国債価格下落=金融システムへの波及懸念、超円安懸念(インフレ)と現在のギリシャのようにかなりの痛みが伴う可能性は多いに孕んでいます。
「日本のデフォルト懸念!」という文字が踊らないのを願うばかりですが、欧州圏の様にすぐに他国へ移り住んで働くということが出来ない島国日本である以上、通貨分散のイチ方法として、せめて資産の一部は海外へ移してオフショアファンドなどで運用(外貨運用)をして、万が一その日が来た時に備えておくという考え方が大切ではないでしょうか。
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