【為替】1ドル=120円の意味(円資産価値目減り)
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーのマハラです。
「消費増税?」「衆院解散・総選挙?」「物価見通し、成長率見通し下落?」と様々なニュースが流れていますが・・・個人的には消費増税(8%→10%)以上に「為替推移」の方が圧倒的に気になります。
<ハイパーインフレになったジンバブエ紙幣>
日本の消費税が上がる(恒久的に)としても、その率で言えば10%です・・・。
それ以上に個人投資家や日本国民一人ひとりが心配しないといけないのは「(ドル円中心の)為替推移」ではないでしょうか????
<USD/JPY為替レート 1994年〜2014年>
2014年10月末の黒田日銀のバズーカー法によって、更なる金融緩和政策が打ち出された日本の金融政策ですが、気がつけばあれよあれよと1ドル=116円台を付けました(7年ぶり)。為替はシーソーゲームなので、一方向に進み続けるということは考えられませんが、今確実に言えるのは確実に『円資産の価値が目減りしている』ということです。
その率で言えば、2013年末〜2014年の1年だけで20%近くの円資産価値目減りです。
(海外に行く場合を考えれば分かりやすいが)
(100円時、2013年末には) 1,000万円=USD 100,000 だったのに、
(120円時、2014年末???では) 1,000万円=USD 83,333 ということになります。
「海外行かないから関係ないよ」って思うかも知れませんが、日本国内にいる一人ひとりに関わるのが日本の経済環境構造です。その日本の経済環境構造の困った点として「輸入品(原材料など)」依存率が高いという点が非常にネックになります。
そのネックな悪循環サイクルがこう。
「原材料高騰→最終製品価格高騰→売れない→給与増えない→買い控え→消費停滞→インフレどころかデフレ(景気後退)」です。
急激に20%の円安部分が最終製品に転嫁される事は考えられませんが、よくよく考えて欲しいのは、例えばこの1年間で、
「20%近く給与所得(ボーナス)が増えたというビジネスマンはいますか?」
「年金が20%増えたという退職者世代は?」
むしろ逆に、消費税も上がり(5%→8%)、保険料も上がり、日用品も少し値上がり(や総量の減少)を感じていませんか?
円資産のみの投資家(日本人の多く)は、確実に「貧しく」なっています。
逆にオフショアファンドを始め外貨資産(外貨そのもの)を持っている投資家は、為替だけで(90円時)USD111,111(約1,000万円) にドルにしていれば、現在は(120円の場合)約1,300万円になっています。
「1ドル=116円台の円安だから投資できない」と考える個人投資家がいますが、そういう人は「1ドル=90円でも、80円でも、まして120円になってもいつまで経っても投資出来ません。」
為替はシーソーゲームです。今後、必ずまた円高にブレる時は来るでしょうが、ここ数年先の動向を冷静に考えると、経済理論(日米金利差の拡大や今後の米国金利上昇)、日銀の金融政策や日本の財政問題(消費増税議論、経常収支、貿易収支など)、GPIFの外債外株購入などの観点から着々と「円安(1ドル=120円台以上へ)」の道筋が整っています。
今後、一段の円安は進行して行くことでしょう。
ギャンブル的に為替の上げ下げに賭けるのではなくて「円安になって円資産価値が目減りするリスクを減らすという考え方(インフレ対策)」に基いて、「外貨資産(オフショアファンドなど)への通貨分散投資の重要性」を認識することが大切です。