【為替】「円安」で日本人が貧しくなる!?
こんにちは、K2 Investment のマハラです。
本題に入る前ですが、為替見通しについて皆さんはどう考えていますか?
『日本最大の証券会社(野村證券)では、現時点で2014年末の為替見通しを1ドル=112円としています。』
だそうです。
この「112円(今よりも10円(約9.8%)円安見通し)」が当たる当たらないは神のみぞ知るですが、経済為替動向の大枠としては「円安方向」である、というのは野村證券に限らず、他の証券会社も同様の見通しとなっています。
さて、一般企業では夏のボーナスが支給され、あれを買おう、旅行に行こう、ローンの返済に充てようなど、様々考えられている事かと思います。
経団連によれば、
大手企業平均:約88万9,000円
全国平均 :約36万3,000円
と発表されました。
今年のボーナス(一時金)が増えたという方は多いと思いますが、少し見方を変えて考えてみましょう。まずは去年の今頃の為替推移を確認してみます。
<USD/JPY 為替3年チャート>
2013年6月下旬頃は、1ドル=約98円〜100円台というあたりでした。
仮にこのタイミングで、今年のボーナス(約90万円)を持って海外旅行に行ったとします。90万円=USD9,000だった訳です。ところが今年の場合は現在1ドル=102円なので、90万円=USD8,823となります。海外旅行に行く場合(ドルを買う場合、円安になるとマイナス)=円の価値がドルに対して「減少している」というのが分かりますね?
この現象が「円安ドル高(ドル高円安)」です。
また、2011年頃(チャートの左端)では1ドル=80円台だったので90万円=USD11,250です。2011年と2014年では海外(アメリカなど)に行く場合、どちらが得かは分かりますね?
これを企業に置き換えると、トヨタなどの輸出企業はアメリカで自動車が売れる=米ドルで売れるので円安になればそのぶん為替差益が出ます。
一方の石油輸入会社や素材などの輸入企業が、1ドル=100円で5,000個の素材を仕入れた場合には50万円を支払います。一方、1ドル=102円と円安になると同じ5,000個でも51万円を支払わなくてはいけません。
輸入企業は、円高になるとこの為替で支払う分が増えるので、モノの最終価格に転嫁することで帳尻を合わせます。つまり、商品の値上げなどです。
これが「インフレ=物価上昇=円資産の目減り」です。
つまり個人所得が増えていなくて、モノの価値だけが上昇すると「円の価値が目減り」してることと同じ意味になります。
輸入輸出企業はこの円高円安に関するリスクヘッジを戦略的に行っていますが、日本人個人はほとんどの人がそうではありません。
例えば・・・
・給与、ボーナス(日系企業)(外資系企業は一部外貨で支給)
・預貯金(円資産)
・マイホーム、自家用車、土地(売却しても円資産)
・生命保険(外貨建て保険以外)
・投資信託(日本の証券会社、銀行の場合はほとんどが円投資)
・株式(日本株式は円資産)
上記の様に多くの日本人の資産内容は円資産に偏っています。もちろん日本に住んでいる以上、毎日使うのは日本円なので当たり前です。
ただ、日本経済の構造上は「輸入」で成り立っている部分が多いので「円安」になればなるほど、最終消費者である個人にとっては公共料金や野菜、穀物、電化製品などあらゆるモノの価格が値上げされることになります。乱暴な言い方をすると『円資産しか持たない日本人は貧しくなる』ということです。
そしてタチが悪い事に、このようなモノの最終価格に転嫁されている事には中々気付かないのです。(為替の円高円安がどのように自分たちの生活に影響を与えているか分かりにくいため)
そう考えると、本当にボーナスは増えた?のでしょうか・・・。
この「円資産の目減り=貧しくなる」のを防ぐ上での1つの方法が、オフショアファンドなどの『外貨資産』を持つということです。
簡単にいえば、通貨分散です。為替はシーソーゲームみたいなものなので、どちらか一方に傾き続けるということはありませんし、適正水準の為替レートと思われていたものもすぐに覆ってしまいます。
少なくとも現時点で「円安方向」になりやすい経済環境と考えられている以上、合理的に考えれば円資産を減らして外貨資産を持つということで「円資産の目減り=貧しくなる」というのを防ぐ戦略が立てられるのではないでしょうか?
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