【為替】三越銀座店の売上と円安の関係性
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーのマハラです。
今日は「三越銀座店の売上と為替」の観点から、日本経済や資産運用について情報発信していきます。
少し前の話ですが、6/2に三越伊勢丹の5月の売上高が発表されました。三越伊勢丹全体としては前年同月比2.7%(消費増税前の駆け込み需要の反動減によって2ヶ月連続のマイナス)。一方の三越銀座店は同4.5%プラスで16ヶ月連続(1年4ヶ月連続)で前年の実績を上回わっていました。
要因が、主力の婦人服や紳士服の売れ行きが好調だったのと、訪日外国人の増加に伴う免税売上が押し上げられた為とのこと。実は4月の同売上では、訪日外国人による免税売上が93%増、売り上げ全体に占める免税売上割合が10%程度と初めて2ケタに乗せているという経緯もあります。
観光立国「日本」を1つの産業として更に進められるのかどうか、今後の安倍政権の政策が楽しみです。
さて、この「訪日外国人」はなぜ増えたのでしょうか?
・日本が好きだから
・日本の商品が欲しいから
・東京オリンピック前の下見
・日出ずる不思議な国、日本を知りたいから
・・・様々理由はあると思いますが、
まず間違いない理由としては「円安効果(過度な円高修正)」が挙げられます。
<USD/JPY 5年為替チャート(2009年〜2014年)>
2011年10月には戦後最高値を更新(1ドル=75円台)しましたが、政権交代の2013年末からあれよあれよと今の1ドル=101円台まで修正されてきました。2013年の1年間だけでは、USD/JPYで約21%円安になりました。
これだけ(ドルに限らず全般的に)日本円が「安く」なれば、外国人からすれば「お!ラッキー!日本へ安く行ける!いっぱい買い物できる!るんるん!」となる訳です。単純に2013年からすれば、20%の大バーゲンが日本で行われているイメージです。だからこそ、中国人富裕層による日本の不動産への投資も活発に行われていますし、三越銀座店で商品を「安く買える」とのことで訪日外国人数、旅行消費額ともに増加しているという結果に繋がっています。
一方で、この「円安」が私たち一般国民にもたらす悪影響でもっとも分かり易いのが「輸入価格品の高騰」です。例えば特に困るのがアメリカから大部分を仕入れている小麦やトウモロコシなどの食料品です。お酒を飲んだ後に食べたくなるラーメンも、ピザやパスタ、お好み焼きやたこ焼き、パン、様々な食品に小麦は使われていますが、それらを作っている企業からすれば大打撃な訳です。それまで安く輸入して作れていたのに、円安が進んだ為にコストが大きくなりその採算を合わせようと最終的な商品に価格を転嫁(値上げ)をして、消費者の私たちが困る、これが円安の悪影響です。
円資産(給与、持ち家、加入している保険、円建て投資信託、日本株式など)しか持っていない人にとっては、更に円安になっていくと円の価値が更に目減りすることになります。一方、これを防ぐために外貨建て資産(オフショアファンド、外貨預金など)を持って資産運用をしている投資家は外貨建てベースで資産が増えることに繋がります。
為替はシーソーゲームみたいなものなので、一方に傾き続けるということはありません。歴史的に必ずどちらかに傾いてはまた傾きを戻す連続です。気をつける必要があるのは、日本円資産しか持っていない日本人が多いので、今後更に「円安」に傾いていくリスク(円資産の目減り)を軽減する上でも、資産の一部を外貨資産として保有するという考え方が理にかなっていますね。
備えられる円安リスクへの対策を考えるキッカケとなった「三越銀座店の売上」でした。
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