DDB(ディープ・ディスカウント・ボンド)とは?

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以前、債券の仕組みと種類についてブログでご紹介しましたが、今回はその続きです。

債券についてはこちら

この呼び方は野村證券流なのかもしれませんが、DDB(ディープ・ディスカウント・ボンド)というものがあります。これは一種の割引債なのですが、ゼロクーポン(金利がゼロ)ではなく、多少(0.5%とか)金利がついています。

その他の主な条件を例として書いておきます。

金利:0.5%
満期:2022年8月25日
最低投資金額:40万豪ドル(今の為替で約3200万円)
購入単価:55.89〜58.39
発行体:AAA(オーストラリアの地方自治体など)
通貨:豪ドル

特徴的なのは3つ。金利が低いところと購入単価が100豪ドルではなくて、55豪ドルという半額くらいにディスカウント(割引)されているという点、そして最低投資金額が高額という点です。

つまり金利がつかない代わりに、単価を安く販売しますよ、という債券です。

このメリットは何か?

メリットは複利運用の効果が効きます。

複利運用についてはこちら

通常の利付債だと、年間5%程度の金利が必ず出てきてしまいます。もちろんもらわないよりもらったほうがいいのですが、ただそこで毎回20%の税金を日本国(日本人の場合)に支払うことになります。もちろん税金を払うために金利をもらうわけではないので、半年ごとに金利をもらわなくていい方は、こういった割引債を購入するといいのです。

次に金利がゼロではなく0.5%だけつけている理由

これは日本独特の税制が理由です。日本の現行の税制では、利付債の途中売却の売却益は非課税となっています。通常の利付債を購入した場合、発行時に100円で買って、満期になれば同じ価格100円で返ってくるので、債券単価での利益はないのですが、こういった割引債だと債券単価を50円のように安く購入しているので、だいたい途中売却時には利益が出てしまいます。ゼロクーポン(金利ゼロ)債だと途中売却益に対する税金はかかってしまうので、0.5%だけ金利をつけておいて、わざわざ「利付債」としているのです。

そして最後に最低投資金額の話をします。

ここに書いてあるように、DDBというのは大きく割り引く代わりに大口しか募っていない場合があります。この場合、通常の募集先は個人ではなく法人(事業法人、宗教法人)となります。しかしまれに豪ドル債好きな個人投資家のところにも証券マンからのオファーが来ます。

その際、気をつけなければいけないのは、「購入単価」です。小口の場合は、相対取引とはいえ、いちいち単価を交渉していては埒があかないので、毎日一つの債券単価を証券会社が出しています。ただDDBの場合、大口のためすべての取引が相対でしかも購入単価も交渉次第です。つまりは値切ってくださいということです。大阪の方だと得意ですかね(笑)。

例えば、この場合の購入単価は上記のように55.89~58.39とレンジがあります。これも毎日変わります。投資家にとっては安く買えたほうがいいわけですから、55.89(最安値)がいいですよね。しかし証券会社はたくさん鞘を取りたい(コミッションをもらいたい)ので、58.39(最高値)で買ってもらうのが理想です。

仮に55.89で購入できた場合、満期まで保有していた際の実質金利は5.597%。仮に58.39%で購入し、満期まで保有していた際の実質金利は5.207%と大きく違います。

まぁ、もし投資するのであれば、証券会社にまったく儲けさせないのはさすがに申し訳ないので、56.89とか多少儲けさせてあげて、担当者との関係を作っておきましょう。最後に「IPOが出たらちょうだいね」と一言いっておけば、これだけの金額投資すればなにかしらもらえるでしょう。これが証券マンとの賢い交渉術ですね(笑)。

あ、ちなみに投資金額は債券単価が100で計算して3200万円なので、仮に55だとすれば、1800万円程度です。

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