デュアルカレンシー債とは?
最近急激に増えだしたデュアルカレンシー債の新規募集。本日はこの仕組をご説明したいと思います。
まずイメージしやすいように、今回は野村證券が今募集しているスウェーデン地方金融公社が発行体となっている豪ドルのデュアルカレンシー債をご紹介します。
【条件】
発行体格付け:AAA
期間:2年
金利:5.00%(固定)
条件はたったこれだけです。基本は債券と同じなので、まずは債券の仕組みをご理解ください。
さて、「デュアルカレンシー債」ですが、名前が違うということはどこかが違います。そう、「カレンシー(通貨」です。
デュアルカレンシー債とは、最初に払い込む通貨と満期の通貨が違うというのが特徴です。
今回は豪ドルなので、払込は円、返ってくる時は豪ドル(かもしれない)ということです。
ややこしく思えるかもしれませんが、簡単です。満期の時の条件を説明します。
【満期時に円で返還のケース】
為替が60円/豪ドル以上円安の場合、元本100%の円で返還。
つまり満期時にどれだけ円安になっていたとしても、その為替差益(円安なので)は取れません。
【満期時に豪ドルで返還のケース】
為替が60円/豪ドル未満円高の場合、払込み時の為替レートで返還。
つまり<span style="font-size:x-small;">満期時にすぐに豪ドルを円転すると、円高になっているので為替差損が出ます。
(まだ条件が決まっていないので、60円/豪ドルというのはとりあえずです。)
つまり組成をしている野村證券は、今後豪ドルが円安になると見込んで(私もそう思います)、この債券を作っているわけです。通常の利付債を投資家に販売するだけでは大したコミッションは稼げませんので(だから投信ばかり推奨している)、こういった少し複雑な債券を組成して、為替差益を取りに行こうという少し積極的になったわけですね。
そしてこうすることで、為替リスクは取りたくないけど高金利は欲しい個人投資家に販売できるわけです。為替リスクが嫌いな人は為替相場が将来どうなるかなど、あまり考えません。相場観がなければこの商品がよく見えるということですね(笑)。
当然、私なら通常の利付債を買って、高金利+為替差益を取りにいきます。高金利=為替高という地合ですから。
さらに言うなら、金利が上昇していく時期には、決して債券には投資しません。債券は固定金利なので、金利上昇局面では、満期前に売却したら債券単価が下がっていて損しますし、低い金利の時に固定してしまって、金利の引き上げがあった後、新しく募集されている(毎月募集してます)債券を見たら損した気分になりますからね(笑)。
では私なら何に投資するか?このブログの常連さんはもうわかってますね(笑)。そう、豪ドルMMFです。手数料が稼げないので、証券マンは誰も推奨しませんが、豪ドルMMFであれば、多少金利が低くても(今だと豪ドルで4%ちょい)、オーストラリアで利上げがあれば、その翌日にはそれと一緒に豪ドルMMFの金利も上がりますし、元本はブレないので、いつ売却しても元本部分では損しません。つまり満期などないので、為替が円安の時に、さっさと売って利益確定できるのです。今のご時世、来週の相場もよめないのですから、いつでも売却できた方がいいということですね。。
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