金投資とは?
最近やたらと「金投資」という言葉を聞くと思います。先日行ったCFPの勉強会では、そこら中で「金の買取します!」という聞くと言ってましたが、本当ですか(笑)?
今回はそんな「金投資」について、そもそもなんで金なのか?というところから掘り下げていこうと思います。
まず金がどこから出てくるのか?こちらをご覧ください。
ちょっと画質の関係でちょっと見づらいと思いますが、多い順に金鉱山(59%)、リサイクル(40%)となっています。そう、単純に金鉱山から取ってくるだけでなく、さっき出てきた「金買いますよ!」という方たちがリサイクルしている分が40%もあるのです。
次に金はどこに使われているのか?
多い順にジュエリー(51%)、投資(38%)、産業&歯科(11%)です。私はてっきり投資が最も多いのかと思っていましたが、ジュエリーが依然半分ということです。
次に投資という意味での金。こちらが金の10年チャートです。
そしてそれを数字で見たのがこちら。
上から順にプラチナ、パラジウム、銀、金、貴金属バスケット(mix)です。金のリターンが10年で267%、ボラティリティ(変動率=リスク)が19%です。ちなみに日経平均は10年のリターンが-45%、ボラティリティが25%なので、リスク=リターン共に金のほうがいい投資だと言えます。
また銀、プラチナ、パラジウムのボラティリティがそれぞれ33%、27%、38%なので、金だけが安定した上昇を続けているということです。
また同じ表のしたのところにTOPIX(日本株)との相関係数が出ていて、どの貴金属もだいたい0.2%前後なので、極めて相関性が低いと言えます(全く違う動きをするということ)。
次のグラフが、過去S&P500(米国株)が過去12年の間、下落をしていた時のそれぞれの資産の上昇/下落幅です。いい方から順に金(+1%)、貴金属、農産物(ここからマイナス)、コモディティ全体、エネルギー、産業用金属、米国株、英国株、ヨーロッパ株、カナダ株、ドイツ株(-9%)です。
つまりは「有事の金」ということですね。株が下がっている時に金が買われるということです。
最後に、あなたが今日本株と日本債券を保有していただけの場合、これらの貴金属を一緒に保有したらどうなるか?を下のグラフで示しています。
これは難しい言葉では「有効フロンティア」と言いますが、名前なんてどうでもいいです。要はリスク=リターンの関係を表しています。
左(縦軸)に「リターン」、下(横軸)に「リスク」です。上に行けば行くほどリターンが高く、右へ行けば行くほどリスクが高くなります。通常「ハイリスク=ハイリターン」と言われるのが右上の方。「ローリスク=ローリターン」というのが左下の方で、リスクとリターンは比例すると言われている通り、比較的直線に近い形になっています。しかし全くの直線ではありません。カーブしているのです。
次にあなたが投資する時には、どの辺りにカーブしている線の投資商品に投資したいでしょうか?誰だってリターンは高く、リスクは低いほうがいいので、このグラフでは左上にある方がいい投資商品だと言えます。
さぁ、ここまで理解してもう一度、さっきのグラフを見ましょう。まず「日経平均&日本債券」。これは一番下にあるカーブです。リスクを取れば取るほど損をして(右肩下がり)、リスクを抑えても高いリターンは得られません。そうです、これが「ハイリスク=ローリターン」の典型です(笑)。
次にそれぞれの貴金属を一緒にポートフォリオに入れていきます。すると左上から、金、プラチナ、銀、パラジウムと、いいカーブになるではありませんか。これが金をポートフォリオに入れる意義なのです。
それでは次回は、金に投資するにはどんな投資先があるのか?をご紹介します。
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