株券の3つの取得単価

まだ実は手元に株券が残っているという方いませんか?

このような方は、すでに証券会社で特定口座に組み入れることができなくなってしまっているので、もし株を売却したとすると、ご自身で税金の申告をしなければいけません。

申告って難しいイメージがあると言う方、たしかにめんどくさいですし、できるならそんなことしない方が楽です。しかしもう選択できる時期は終わってしまいました。とはいえ株券を一生涯持っておくわけにもいかないでしょう。そんなことしたら次に相続する方に、株券なんてもらってもどうしたらいいかわからないと迷惑がられます(笑)。

まぁ、簡単に売却と言っても、株価は毎日動いているので、いつ売ったほうが得か?とかそもそも自分はいくらで買った(取得した)のかわからないという方も多くいると思います。例えば相続でもらった場合などそうです。おじいちゃんが大昔に買った株や、ご主人が持株会で買って、退職と共に出てきた株券などがそうです。

取得価格がわからなければ、売っても税金を申告することができません。利益が計算できないのですから、当然ですよね(笑)。

そこで今日は3つの取得価格についてご説明します。そうです、実は取得価格は1つではなく、3つから選択できるのです。

1)購入価格
これは実際に証券会社で買った時の明細や、買った時のメモ書きなんかでも有効です(銘柄と日時と価格が必要)。持株会であれば、「平均取得単価」というのが書かれた明細が、退会時に出ているはずなので、それを取ってあれば使えます。もしそれが手元になければ諦めるしかありません(ひどいことに再発行などしてもらえません)。

2)名義変更日の終値
株券の裏を見てください。もしそこにあなたの名前が直筆で書かれていれば、それも証明になります。もしない場合(名前が印字されている場合など)は、信託銀行へ電話して「異動証明書」を発行してもらいましょう。これは確実に出してもらえます。

3)みなし価格(2001年10月1日の終値の80%)
これは今年までに売却された方のみ使える特例です。正直2001年10月1日は決して高い株価の時ではないのですが、もしたまたまあなたの持っている銘柄が高ければ、この時の価格を使うことができます(株価は証券会社で簡単に調べられます)。

さて、不幸にも上記3つのどれにも当てはまらなかった方。あなたがその株券を売却したとすると、売却した時の価格の5%が取得価格とみなされてしまいます。つまり95%が利益です。つまり×2、不当に高い税金を払わされます。

誰もが税金はあまり払いたくないものです。税金を少なくするには、「取得価格」を高く設定する必要があります。上記3つの内、どれが高いかは銘柄とあなたの株券の状態次第ですが、まずは証券会社と信託銀行へ問合せをして、調べることが第1でしょう。その後、もし「みなし価格」が最も高いのであれば、今年年内にとりあえず売却してください。めんどうくさい、などと言っている場合ではありませんよ(笑)。

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