野村證券の楽な営業物語 〜2010年5月
GWにお墓参りかねて岐阜へ帰省しています。そこで野村時代の同僚と馴染みの店で一杯(実際は10杯以上ですが、、)飲んで、色々野村の中の近況を聞いてきました。
商品戦略を見ればわかってはいたのですが、まず毎月分配型の高利回りのものばかり簡単に売れている、ということ。またそれらはほとんど何か(投信や日本株)を売却して乗り換えているだけということ。当然、手数料を稼ぐためですよね。証券会社にある資産など、もうすでにポートフォリオなど存在しないのです。中長期的にその顧客に合った投資商品で、ちゃんとした運用をしようなんていう考えは一切ないのです。仮に経営陣でそういったことを考え、危機感を持って、投資の啓蒙活動をしていったところで、そんなものはほとんどボランティアにしかなりません。要はそこからコミッション(手数料)が入ってこなければ、会社の存続ができないのです。それで毎月出てくる収益は一人当たり300万円〜1500万円。これは営業マンによっての力量で差が出てきますが、どんなにできない営業マンでも数年経てば担当顧客が割り振られ、預かり資産もできるので、いい地合で売りやすい商品(今だと高金利の毎月分配型)があれば、最低でも300万円程度は稼げるのです。よく考えてください。一人毎月300万円の売上ですよ。しかも地方で。そんな高収益な事業など地方含め、東京でもなかなか存在しません。じゃあその収益はどこから来ているのか?あなたが日本株を売って投資信託にしたその手数料です。しかも最近は、この不景気で日本などデフレの最中なのに、野村証券の投信の購入手数料は3%→3.5%→4%と値上げです。けど高金利であれば「数カ月で元が取れますから」と販売するのになんの苦労もありません。だって皆たくさん金利が欲しいのですから。たくさん金利を取ろうと思ったら高い手数料を払わなければいけない。諦めるしかありませんよね。。
日本人はよく単純で時流に流されやすいので、とても楽なマーケットだと言われます。ブランド物で言えば、ルイヴィトン、プラダなど、名前が付いていれば売れるというのもわかりやすい例です。金融商品で今ポピュラー(流行り)のものは、明らかに高金利の毎月分配型ファンドでしょう(外貨建てグローバルリート、外貨建てハイイールド債券、外貨建て新興国債券など)。皆が買っていればいい商品なのでしょうか?皆が買っていれば、下がっても皆が損をしているので、自分への言い訳になるのでしょうか?とてもそうは思えない私は、昨日も話していてもなかなか飲み込めませんし、そんな中で罪悪感一杯で働いている証券マンたち(罪悪感ない人間は、よほど金融を理解していない人間か、もう感覚が麻痺しているかのどちらか)は、何を生きがいに対顧客業をしているのか?と疑問に思うことだらけでした。
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