証券会社の乗り換えセールスの法則
証券マンにとっては当たり前なのですが、私のクライアントや新しく問合せをいただける一般の個人投資家は意外に知らないことなので、ここに証券会社の乗り換えセールスの法則というのを書いておきます。
まず証券会社は手数料を稼ぐことが目的なので、高い手数料を取れば取るほど良いということになります。つまりできれば投資してもらえるなら手数料の高い商品を買ってもらう、ということですね。
ではどの金融商品が手数料が安くて、どの金融商品が手数料が高いのか。こちらに順番にしてみました。
(手数料安い→高い順)
※カッコ内が購入時の手数料
日本債券(0.3%前後)
日本株(1%前後)
外国株(1%前後)
外国債券(1~2%)
投資信託(1.5~3.5%)
変額年金保険(5%)
仕組債(5%以上)
細かいことを言うと、購入時の手数料以外にも信託報酬などがありますが、とりあえず購入時だけでこれだけ違います。さらに為替が絡めば為替手数料も抜かれます。債券類は「手数料」という名目ではなく「スプレッド」という名目で間を抜かれていますが、それも現実にはただの「手数料」なので、ここでは「手数料」と片付けます。もちろんずっと保有させてはくれませんので(それでは手数料が稼げませんから)、動かしやすい商品ほどいいものです。こうしてどの商品を顧客に勧めるかが決まります。
皆さんもこれを見て、最初は上(個人向け国債や日本株の公募など)で投資していたが、次に証券会社の担当者から勧められた金融商品は下(投資信託や変額年金保険)だった・・・ということがありませんか?
また仕組債(日経デジタル債など)を最低投資金額が5000万円からだと勧められ、自分しか投資できない特別なものだと思って投資していませんか?現実にはそれはまとまった手数料稼ぎをできる証券会社のドル箱商品ですよ(笑)。
そういえば、先日パーティー(合コンではないですよ)でお会いした方が、東京の都銀の支店で働いているそうです。今は銀行の本業の融資担当者は全体の3割しかいなく、残り7割はすべて資産運用担当者(要は投信で手数料を稼ぐ部隊)となっているそうです。その子は資産運用の方をずっとやらされているそうですが、自分で「詐欺行為をしているのと変わらない」と嘆いていました。サラリーマンとはいえ、ちゃんとした人間であればそのように感じて当然でしょう。
よくよく考えて証券マン、銀行員と付き合ってくださいね。ご丁寧に「お付き合いさせてもらっている」などと言わなくていいですよ。「手数料を払ってあげている」と言ってください(笑)。
ツイート