ラップ口座(ファンドラップ)とは?
小口になってきたところで、投資初心者もラップ口座が投資対象となってきましたので、「ラップ口座」または「ファンドラップ」についてご説明したいと思います。
まず「ラップ(wrap)」とは「包む」という意味で、ファンドラップであれば、いくつかのファンドをまとめて包むという意味があります。要は一本一本のファンドがいいか悪いかを判断して投資を決めるのでは、全体から見て本当にその投資割合がいいかどうかわからなくなってしまうので、最初からポートフォリオを組んで、まとめて管理しようということです。またまとめて管理する際に、「一任勘定」といって、投資家が自分で投資の判断をするのではなく、ファンドラップのファンドマネージャーが適時売買の判断をし、指示を出すという仕組みになっています。
各社オリジナルのファンドラップがありますが、「一任」をする限り、金融庁が定める同様の仕組みになっています。
1)ヒアリングシートから、投資家の投資経験、投資意向、資金性などを把握する。
2)ヒアリングシートに基づき、その投資家用のポートフォリオ案を作成。
3)ポートフォリオ案に基づき、担当者が説明。
4)希望があれば変更、そのポートフォリオ案でよければ契約、運用開始。
実に当たり前の作業を、マニュアルにのっとってしている。
先程記事をご紹介しましたが、最低投資金額は以前の1000万円から300万円に、今度はさらに1万円(ネット専用)にまで引き下げられました。もう「富裕層」対応の商品ではなくなったようです。
ではファンドラップのメリット・デメリットを挙げておきましょう。
【メリット】
「全く投資がわからない」という方は、運用を丸投げできる。
【デメリット】
・「ファンドの信託報酬+ファンドラップの顧問料、事務手数料」と2重の手数料体系。
・ファンドラップの中に入っているファンドもファンドラップ用に作られたミラーファンドなので、信託報酬が通常のファンドよりも高い。
・契約者によって成果がバラバラなので、過去の成功事例が見られない(仮に見れたとしても、タイミングからして皆損しているが)。
余談ですが、海外のラップ口座はまた違うものです。通称PPB(Personal Portfolio Bond)とも呼ばれ、それ専用のファンドなど設定されていません。どちらかと言うと、日本の「証券口座」に近く、世界中のあらゆるファンドや株式、債券、ETFをそのラップ口座の中で売買でき、MRFのようなキャッシュを置いておく口座もマルチカレンシー(ドル、ユーロ、円、ポンドなどなど)であります。ミューチュアルファンド(投資信託)は購入手数料ゼロですし、ETFも日本の数倍銘柄数があるので、相当コストを抑えられます。どうして日本では新しいものが出る度に、逆にコストがどんどん高くなっていくのでしょうか?すみません、答えがわかって質問しているのですが、業者が儲かるためのものしか商品化、宣伝・広告されないからです。ヨーロッパのように、顧客と長く付き合っていけるような、コストが安くて使い易い商品が、日本でもできて欲しいと願うばかりです(海外の事情を知らない方は、比べるものがないので、不満に思う余地もありませんが)。
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