横並び運用富生かせず

 少し古い記事だが、今なおこの状況は変わらないと思うので、この記事を紹介いたいと思う。

 よく聞く話だが、日本の個人金融資産は全部で1400兆円あり、そのうち半分以上は現金。株式や投信の割合はいまだ9%にしか満たない。対して米国は43%。これはリスクを取らない個人投資家の表れだろうか?たしかにそうとも言えるが、リスクを取る価値のある商品を金融機関が用意できていないのも事実である。

 ファンドの運用方針は主に2種類に分けられる。インデックス運用アクティブ運用である。

 インデックス運用とは、日経平均のようなインデックスを追うように運用すること。つまりほとんど手間がかからないので手数料が安い。とはいえ、今はETFがあるので、インデックスファンドの手数料を払う事自体もバカらしい時代になったのだが。。

 対してアクティブ運用とは、インデックスのパフォーマンスを上回る運用を目指すファンド。つまりファンドマネージャーの腕が試されるところ。当然その分、彼らに払う手数料も高くなる。インデックスファンドの約2倍はある。

 問題はこのアクティブ運用が、いったいどれだけインデックスよりもいい運用ができたか?ということである。この記事では、2006年以降の運用成績で、インデックス運用を上回ったアクティブ運用のファンドはわずか25〜38%。つまり半分以上は、インデックスさえも上回っていない、ということである。それでは素人と同じではないか。むしろ手数料をもらって、インデックス以下の運用をしていては、ほとんど詐欺である。個人でETFを買っておけばいいからである。自分で運用した分、その方が下がってもよっぽど納得がいく。

 またひふみ投信を立ち上げたレオス・キャピタルワークスの話では、長期での投資戦略よりも、足元の売やすさを重視したファンドが多いという。要は、販売する証券会社は売やすい方が購入手数料がたくさん入り、それを運用する運用会社も、たくさん資産残高があった方が、信託報酬がたんまり入る。証券会社と運用会社が結託して、個人投資家を食い物にしている構図だ。「運用成績」という結果が物語っている。

 個人投資家は、こういった事実(というより表面には出てこない裏側)をよく理解した上で投資先を決めて欲しい。「貯蓄から投資へ」の入口である証券会社や銀行が、こんな状態では9%のお金しかリスクを取らなくて当たり前だとも言える。リスクを取って、手数料だけ支払って、自分だけ損している(証券会社や銀行は損しない)のでは、バカバカしい。

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