野村 投資銀行部門黒字に
野村もリーマン・ブラザーズのアジア、欧州部門を買取って、着実に成果が出てきている。社内の2重給与体系などによって、社内の軋轢があるとか、いろいろ聞いても来るが、野村全体、また株主にとってもいいことだろう。
では収益の中身を紐解いて見ていこう。今回良かったのは主に2つ。1つは国内リテール(支店で「投資信託買ってください」という人達)、もう1つは旧リーマンの投資銀行部門である。
総合証券会社というのは、この2つは切って切り離せないもの。つまり投資銀行部門で会社の売買、企業のファイナンス(新規公開や公募増資など)を引受け、それを日本全国のリテール(支店)で個人投資家に持ってもらう。野村からしたら、企業も個人もどちらも「顧客」である。
今回収益をあげたのも、三菱UFJ、日立、日本郵船、イオン、旭硝子などの公募を引き受け、海外でもマレーシア最大手マクシスのIPO(新規上場)、インド電力大手タタ・パワーの転換社債引受があったためである。しかし多くの引受を受けても、必ずしもそれがリテール部門でいいとは限らない。そう、その企業が良くても悪くても引き受けた株は全部誰かに買ってもらわなければいけないからである。もう一つ言えることが、お金がたくさんあったら企業はファイナンス(資金調達)しません。お金がないから、もしくはこれから新しく事業拡大していくお金が欲しいから資金調達するのです。これをあなた(投資家)の立場で考えてみてください。IPO、PO(公募)とちやほやされてますが、必ずしもいいとは限らないんですよ。。
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