ハッピーコール
野村證券では(他の証券会社にもあるかもしれませんが)、「ハッピーコール」と呼ばれるものがあります。名前のとおり、ハッピーな時にコール(電話)するのですが、この「ハッピー」とは毎月分配金が出る時を示しています。
要は最近はほとんどの投資家がとりあえず毎月分配型にしているため、投資信託の運用が良かろうと悪かろうとマイナス利回りであろうと、月に1回必ず分配金が出ます。そしてそれが何ヶ月か続くとMRFという銀行でいう預金口座のようなところに貯まっていきます。そしてある程度貯まったところで証券会社から電話がかかってきます。
「◯◯さん、よかったですね、毎月の分配金が貯まって、これだけMRFに貯まりましたよ。これを使ってまた同じ〇〇ファンド毎月分配型を買い増しましょう。」
と言って買い増しをして、そこでまた買付手数料(3%前後)が証券会社の懐に入ります。
あなたはこれをおかしいと思いますか(笑)?おかしいと思わなければ、かなり危険です。おかしいという理由はいくつかありますが・・・
1)出てきた分配金で同じファンドを買いますのであれば、最初から「再投資」、もしくはそれだと税金を都度払わなければいけないので、最初から毎月分配型など選ばないほうがいい。
2)この会話の中に、分配金=利益(リターン)だという会話は一切無い。もしそう言っていればそれは事実とは言えないからである(よくわかっていない証券マンは平気でそう言うが)。
3)分配金がさも良いものかのような言い方をして、それだけで投資信託の良し悪しの判断をしようとしている(投信の基準価格の話はない)。
結果、おかしいと思って私のところへ相談をいただけることが多いのです(笑)。証券マンは本当の答えを言ってはくれませんからね。。
そもそもそんな細かい単位での取引、皆さんもどっちでもいいと思うかもしれません。証券マンもそうなんです。本当は分配金で貯まったような細かい商いはしたくありません。しかしノルマ(数字)があるのです。どうしてもやらなければいけない数字は埋めなければいけないのです。「塵(分配金)も積もれば山(ノルマクリア)」になるですね。。
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