金融庁、無登録ファンド業者に取り締まり強化
普通に証券会社や銀行でファンドや債券などで運用されている方には関係のない話(いい意味で)ですが、世の中たくさん嘘っぱち儲け話があります。しかも「ファンド」とか「募集」とか言えば聞こえが良くなるので、盛んにそれを言い続けてお金を集め続ける人たちがたくさんいます(要は詐欺)。
普通に金融を勉強したことがある人間(実は日本の世の中にそんなにはいないのですが)からすれば、すぐにおかしいと思うような話なのですが、どうも金融を理解していない一般の個人投資家からすると、「オイシイ話には乗れ」という欲望があるようです(笑)。
もちろん自己責任でやっている話ですから、詐欺を働く方も働く方ですが(といっても本人たちも金融の知識もファンド組成の知識も何もないので、本気で正しいことをしているという勘違いな人たちが多いのですが)、自分の欲に勝てず、そういった物に投資をして騙される方も騙される方です。だってちゃんと自分が納得いくまで話を聞かない方も悪いわけですし、聞いた上で自分自身で「信用できる、投資しよう」と決断をしたわけですから、ある意味自己責任です(自分の人生は皆自己責任)。
しかしお役所(金融庁)がそんなこと言ったら納税者に怒られます(笑)。ということで、最近あまりに多いので取り締まりを強化してきました。
1)金融庁HPによる無登録業者情報公開
2)無登録業者の投資勧誘は3億円以下の罰金(2011年6月〜)
規制(regulation)というのは後付でできていくものなので、そもそも以前はそんなこと言っていなかったにも関わらず、日本という政府が国家権力を使っていきなり規制を開始したら、「皆、言うとおりにしろよ」という話なので、おかしいところもあります。
しかし日本の法律としては、金融庁に登録をしなければ、国内ではファンドを募集してはいけないのです。金融庁に登録をする時点で、ある程度の精査がかけられるわけですから、登録されているものはある意味信用できるということですね。つまり逆にいうと、登録されているにも関わらず、おかしなファンドだったら金融庁の信用問題になるということです。
さて登録されていないファンドの例を挙げましょう。
【サルベージファンド】
沈没船から文化財を引き上げて、成功したら収益を投資家に還元する。
このファンドは2007〜08年に募集され、個人投資家約400人から8億円物出資金を集めていたが、実際は出資金の半分以上の使途が不明。さらに沈没船引き上げ事業には一切投資をしていなかった。
【ベトナム投資ファンド】
ベトナム企業の社債へ投資をするファンド。
このファンドは今年(2010年)2月、そもそもベトナム企業の社債には一切投資をせず、社長が抱えている訴訟の和解金に使っていた。
そしてこういった取り締まりを強化していくと、今度は登録業者が無登録業者にファンドの勧誘をさせるようになる。もちろんこれも金融庁からしたらアウト。
もしあなたがこういった類のファンドに投資しているとすれば、まずはその商品を販売している業者が金融庁に登録されているかをチェックしましょう。
さらに以下のトラブルも多いので、思い当たる方は気をつけてくださいね。
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