仕組みが簡単な金融商品ほどいい(シンプル・イズ・ベスト)
金融市場にはたくさん複雑な金融商品があります。
一般的に知られているのは、株、債券、不動産、為替。これらを伝統的資産といいます。
対して、最近ETFを介して流動性が高くなってきたコモディティ(商品)、デリバティブ(オプションなどの金融派生商品)を含めて、オルタナティブ(代替資産)といいます。
そして証券会社へ行って、下手に金融資産があると、「ロット(投資金額)が大きくないと投資できない」というセールストークの元、仕組債(日経デジタル債、ノックイン債など)、DDB(ディープ・ディスカウント債)などを紹介されます。
しかしどれもこれも基本は「伝統的資産」を駆使して見せ方、リスクのヘッジの仕方を変えただけの世界です。要は個人で株、債券、不動産、為替などを使って運用をするか、金融機関(ある程度金融に詳しい人間)に任せて運用をしてもらうかの違いです。
仕組債やDDBは一見富裕層にしか投資できないいい商品のように思えます。しかし、その商品の仕組みは極めて複雑です。しかも通常にはない商品性のため、投資する時はなんとなく理解した気になれても、投資期間中は忘れてしまってもおかしくないくらい複雑です。
もう一つデメリットと言えるのが、流動性が低いこと。上記セールストークの通り、通常の方は購入できない商品なので、株や債券のように、世界中のたくさんの投資家が投資しているものではありません。これの意味するところは、市場が薄いということ。市場が薄いということは、売却をしたくても買い手がいない、もしくは安い価格でないと売却できない、というリスクが出てきます。これを流動性のリスクといいます。金融危機ではこの流動性の低さのせいで、すぐに売却をして逃げなければいけない場面でも逃げられなかったり、そもそもそのような商品のリスクを取ろうという買い手が現れなかったりで、結局売却できず塩漬けになった個人投資家も多いです。
私が強く言いたいことは、わからないものには手を出すな、ということです。変にプロの投資家ぶろうとせず、自分の理解できる金融商品だけで運用することです。そう、仕組みが簡単な金融商品ほどいい(シンプル・イズ・ベスト)のです。
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