ランドバンキングとは?
それではランドバンキングをご説明したいと思います。
そもそも「ランドバンキング」という言葉自体を聞いたことある方が少ないと思います。
「ランドバンキング」とは、土地に投資をして、その値上がり益で儲けようというオルタナティブ(代替)投資です。
それだったら日本で不動産を買えば一緒じゃないの?
と言われるかもしれませんが、それは不動産投資。「ランドバンキング」の定義とは、途上国でまだ未開発の土地を価格が安い時に買っておいて、長期投資の後値上がったら売却する、というものです。
未開発の土地ならばどこもその対象となるので、こういった話は世の中溢れかえっています。
例えば・・・
1)タイのランドバンキング
タイのバンコクではなく、リゾート地に近いところに今後空港などのインフラを国がを作るということで、その周辺のリゾート地に投資しておくというもの。成功例としてタイのプーケットを例に挙げ、将来これだけ増える可能性があるというもの。
2)カナダのランドバンキング
カナダは先進国ではありますが、まだアメリカほどは発展していません。豊かな自然と天然資源があり、その土地に投資して将来売却されることを見込んでいるもの。
3)カンボジアのランドバンキング
カンボジアというと、以前電波少年で道路を作ったとか、アンコールワット周辺のシェムリアップのように、遺跡を中心に栄えている地域もあります。しかし大部分は未だ未開発。そういったところに先行投資するという案件です。
どれも今後政府がこういう予定でインフラ投資計画を立てているので、それに基づいて投資をしている、と言っていますが、昨今の金融危機も含め、途上国の計画は実現するのかどうかあてになりません。
またこれらのランドバンキングの資料を見るに、そもそも数字が合っているのかどうかも定かではありません。過去の例を数字で追っていってもつじつまが合わないものが多かったり、説明があやふやだったりします。それは通常のオフショアファンドと違い、監査やアドミニストレーターといった機関が間に入っていないからです。つまりセールスする人間、土地を管理する人間、投資したお金を管理する人間、土地の価格を査定して数字を公表する人間がすべて同じなのです。こんなに信じられない話はありません(これはあくまで私が見て聞いた案件を元に書いているので、ちゃんとしたところもあるかもしれません)。要はすべてこれから膨れるかもしれない泡の話をしています。その膨れるであろう泡を8年で300%とか500%とか言っています。
さらにその流動性はと言えば、ほとんどゼロ。満期が8年であれば、8年間は換金することもできません。その間、今の値段がいくらになっているか?を知りたければ聞くこともできますが、そもそもいくらと計算している人間が販売者自身なのですから、都合がいい数字をでっち上げられても何も言えません。8年後になってみれば「やっぱり高値で売却できなかった」と言われても仕方がありません。ランドバンキングとはそういう案件なのです。
ということで、私はランドバンキングそのものに投資をすることをオススメしません。ランドバンキングを扱う業者が多いことも知っていますが、私はランドバンキングを扱いません。クライアントのためにならないからです。
といってもあくまで私の目で見て、私の耳で聞いて、私の頭で判断しているものなので、疑う方はぜひご自身の目で見てみてください。