長期金利(10年国債)1%割れへ
日本国債の長期金利(10年国債)が1%を切りました。
これを見て?と思う方が多いと思います。当然です。普通使いませんから。
けど今からゆっくり説明するので安心してください。
通常国債というのは日本の中にある債券で最も信用が高い債券だと言われます。そりゃそうですよね、国家ですから。
けどその国の国債も日本銀行が決める短期金利に左右される形で金利が決められます。
そう、今の日本(といってももうずいぶん長い間ですが)はゼロ金利政策なので、短期金利はゼロです。
国債の金利は期間によって違います。通常、期間が短ければ金利は安く、期間が長ければ金利は高いです。なぜならば流動性が低い(すぐに換金できない)ほど、金利が高くないと誰も投資してくれないからです。
そうして国債の「買い手」と「売り手」がいて、国債の金利も決められます。いくらの金利をつけるのが妥当か?ということですね。
その10年国債の金利がたったの1%もつかなくなったのです。
これは日本国債を欲しい人がたくさんいるから、1%以下の金利をつけても発行できるという意味です。
10年も預けてたったのこんな低い金利しかもらえず、誰が欲しがるんだよ!と思いますよね。それがまっとうな答えです。世界で見ればあなたの考えはまともです。
しかしこの異常な不景気&デフレの日本では、1%以下の10年国債でも欲しがる人がいるのです。
誰が欲しがるのか?
国内の銀行、年金基金などの機関投資家です。彼らはただキャッシュを持っておくわけにもいきませんから、あるお金を使って運用します。しかし今リスクを取って儲かる先がないのです。だからしょうがないから長期国債でも買っておこうか、ということで、買われてしまったのです。
つまりは長期金利の低下は不景気の象徴なのです。過去をさかのぼると、1%割れは2003年8月以来のことです。この頃は日経平均は7000円台、小泉政権発足して銀行の不良債権を再度洗いざらい出していた時です。そう最悪の時代です(小泉さんが悪いというわけではありませんよ)。それだけ今の景気、今後の景気はよくないと思われているのです。
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