個人マネー高金利通貨へ傾斜

昨年から今年にかけて、ブラジルレアル債、ハイイールドボンド、グローバルREITなどの外貨建ての高金利投信へ資金が一気に流れ込んでいる。

特にブラジルレアル建てでの運用であれば、それだけで10%を超える分配金が出てくるため、一斉に・・・

高金利投信以外→高金利投信

という回転売買が起こっている。

例えば、以前ご紹介した大和証券の『ツインアクセル(ベトナム株)』は、申込開始2日目で運用上限の270億円が集まってしまい、ネット経由での販売を中止。

フィデリティ投信の米国系REITファンドも5月だけで1000億円集まってしまい、これも上限枠に達したということで、募集停止。

逆に毎月分配型を世に広めた『グローバル・ソブリン(グロソブ)』は昨年末ユーロ圏の債券を42%も保有していて、今回のギリシャ危機によって28%下落。純資産額も20ヶ月連続減となっている。

これによって、日本の個人投資家の資産状況はまた大きく偏ってしまった。

私が野村で働き出した後の歴史で言うと、2004〜2005年は日本株、2006〜2007年は新興国株、そして2008〜2009年は外貨建て高金利投信である。

その期間はとても上がっていてよかったけれど、日本株も新興国株もいまだに利益確定をせず、ただ保有していただけでは皆大損である。

つまり利益確定(売買タイミング)が大事なのである。

今回流行りの外貨建て高金利投信もどこか近い将来、利益確定をしなければいけない。さもなければどこかで今回のユーロのようなことが起こる。

最近、『ゴールド会員』のゴールド会員になられた方で、資産がほとんどすべてブラジルレアル建てになっていた方がいてビックリした。証券会社の意図がなければ、こんな状態にはなり得ないからである。

皆さんもご自身の資産をもう一度よく見直してくださいね。

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