新型オペ 資金供給20兆円に倍増
現行の倍の20兆円もの資金を市場に供給する新型オペが決まった。
おそらく日銀がしている「買いオペ」と「売オペ」というのをご存じない方もいると思うので、先にここから説明します。
景気が悪くデフレが続いているのは皆さんご存知の通りですが、景気を刺激するのに、大きく分けると2つの方法があります。一つは「財政政策」。もう一つは「金融政策」です。
「財政政策」は政府がするものであり、財政支出(国民が納めた税金を政府が公共事業などに使うこと)により、国内企業の売上にプラスになるようにすることである。
対して「金融政策」は、中央銀行である日銀がします。金融政策は、通常「政策金利を調整すること」と「貨幣供給量を調整すること」の2つがあるのですが、日本はすでに0.1%という実質ゼロ金利をもうずっとしているので、これ以上景気を刺激する手立てがありません(これはかなり痛い)。できることといえば、残りの「貨幣供給量を調整すること」です。これを別名「買いオペ」「売りオペ」といいます。
「買いオペ」は市場の貨幣を買い戻すこと。つまり、市場から貨幣が減るので、金融の引き締め(景気を抑える)働きがあります。対して「売りオペ」は、貨幣を市場に売るということなので、市場に貨幣の供給量が増えます。お金が余れば、なにかに使おう(投資、消費など)となるので、景気刺激策となります。そう、今回の「新型オペ」は「売りオペ」です。
今回の「新型オペ」は旧型と何が違うのか?次の2つです。
1)週1回8000億円ずつ売りオペをしていたのを、今後は週2回8000億円ずつ売りオペをする(2倍)。
2)通常、金融機関の入札で金利を決めていたのだが、今後は0.1%の固定として、低金利を強調した(あまり意味がないが)。
全く特効薬にもなりませんが、延命処置というところでしょうか(笑)。本当は根本的な社会の「構造改革」が必要なのですが、それは政府がすること。日銀ができることを必死で絞り出したというとこでしょう。政府にも期待したいものです。
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