銀・証、連携に二の足
昨年6月に銀行と証券のファイアウォール(業務隔壁)規制が緩和されたが、当の銀行、証券はなかなか動けずにいる。
以前もブログで少しだけお話しましたが、銀行と証券を本来一緒にすることができません。そこに書きましたが、そもそも企業のバランスシート(貸借対照表)上、「負債」サイドと「資本(株主資本)」サイドと、全く違うところを一金融機関が見てしまうことに問題があるということです。役割が分かれているからこそ、企業はそれぞれから客観的に情報を集めることができ、最も「自分の納得のいく」戦略を選ぶことができます。一金融機関が全部やってしまっては、もうその金融機関のいいなりです。。
しかし近年の規制緩和で、「兼職」してもいいという風になりました。つまり、一人の人間が、「証券マン」としても「銀行マン」としても動いていいということです。もちろんそれぞれの職務を全うするために、証券と銀行、あらゆる情報を扱うことができます。
この規制緩和に逆風が吹き始めました。きっかけは金融危機。その後アメリカが金融規制策を出してきたからです。もちろんアメリカの政策はアメリカだけの話であり、EUもその通りやるわけではない、と明言してますし、日本もその通りする必要はありません。しかし、ご存知日本の政策というのは、開国以降まわりに様子伺いの姿勢ですから、どちらかというと追随する姿勢にあります。規制されれば日本も規制されるでしょう。それを知っている金融機関は、社内体制を何度も変えることにリスクがあるため、「様子見」となってしまってます。
個人投資家であれば、あなたの預金残高が証券マンに見られてもいいですか?企業経営者であれば、あなたの会社の借入状況が証券マンに見られてもいいですか?
やはり、銀・証が一緒になったユニバーサル金融機関というのは夢物語なのでしょうね。。
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