投信「乗り換え」活発に
投資信託の乗り換えが活発になってきている。
調査対象となったのは3000の銘柄。よく調査してくれたと思う。以前は平均4.5年保有していた投資信託も、今は2/3の3.1年。考えられる要因は二つ。
1)不景気により、どこからか資金を捻出せねばならず、純粋に売って現金化した。
2)既存のファンドを売って、新しいファンドに乗り換える動きが多くなった。
しかし、主な理由は2)のよう。なぜなら、今年1月まで11ヶ月連続で、ファンドへの資金流入が3348億円/月と、解約よりも新規購入額の方が断然多いからである。
じゃあ、なぜ期間が短くなったのだろう?
一つは、金融危機以降、「ファンドも長く持っていてもいいというわけではない。必要な時には売却することも必要。」と投資家が学んだからだ。
二つ目は、販売会社が、新しいファンドか次のファンドへ乗り換えを勧誘し、それに伴って手数料を得ているからである。例えば、2009年6月に募集された『野村新興国消費関連株投信』。募集時に800億円もの資金を集めたのだが、わずか数ヶ月で解約が新規購入を上回っているそう。構図はこうである。
1)募集でしか販売しづらいので、証券会社の営業マンはほとんど募集の販売しかしない。
2)だから最近やたら毎月同じような商品を再度作り直して募集している。
3)けど、新しいキャッシュで買ってもらうには時間がかかるし、それでは会社の経営自体ままならない(もちろん自分たちの評価も給与も上がらない)。
4)だからとりあえず売れるところ(利益が出ているところ)から売って、募集物を買わせる。
という順繰りである。ポートフォリオ?そんな言葉、証券会社の中では話に出てきたことすらない。
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