プログラム売買がかく乱
金融危機による信用不安で、米ドルからの逃避、米国債からの逃避、株、債券、不動産からも資金が流出するとなると、最後に行くところは金である。金のNY先物価格は昨年始めに900ドル/オンスだったのが、昨年末に1200ドル/オンス。これを弊社の提携会社では2000ドル/オンスまでいくと予想している。
上昇しているのは、金だけではない。世界的に景気低迷とはいえど、資源への需要と供給というのはまだまだ需要過多だ。つまり原油、鉄、非鉄金属など、どれも上昇の余地がある。
こういった商品(コモディティ)に投資をする際、個人投投資家の選択肢は今までは「先物取引」しかなかった。しかし近年、コモディティ投信やETF、CTAと呼ばれるヘッジファンドなど、個人投資家にとっての選択肢は幅広い。なにより、最低購入金額が数万円からあるのだから、学生でも投資できる。
うちの会社でも助言しているオフショアのCTA(Commodity Trading Advisor:商品投資顧問)。これはコンピューターを使って、市場のトレンドを予測。トレンド次第では大きな売もかけるし、買もする。ファンドによるが、2007年のサブプライムローン、2008年の金融危機時に、2年間で倍になるファンド(つまり利益100%)もあった。投資していた方は、まわりがどんどん損をしていく中、ほとんど自分だけかなりの利益を出ているのを眺めていたのだから、とても喜んでいる。それを見た投資家が、2009年にCTAを買出した。野村證券もイギリスにあるマンインベストメンツ社(CTAで最王手)と協力して、「ノムラ・マン・CTA・セレクトファンド」というのを出した。しかしながら昨年のCTAは冴えなく終わった。同マン社のオフショアにあるオリジナルのファンド(Man AHL Diversifier Futures)も、-16.4%で終わっている。(ファクトシートはこちら)
今後もこのCTA含め、コモディティというのは欠かせない投資対象となるであろう。
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