REIT オフィス系下落大きく
証券会社で高配当ということでブームになっているREITだが、どうやらまだ不動産市況はそこまで回復していないようである。この記事はREIT(不動産上場投信)の株価を表している。今年8月から見て、オフィス系REITで18%の下落、住宅系で9%下落している。
現実、オフィスの方は、10月時点の空室率で7.76%。新しく借り手を探すには相当の賃料の譲歩が必要だそう(三鬼商事)。これに伴って、オフィス系REITの分配金も今月の分配金が前期に比べて15%減り、半年後にはさらに13%減るそうである。
一方、住宅系は賃料や礼金をある程度下げることで借り手が探せるようになってきたそうである。
賃貸マンションではなく一戸建てはというと、政府がしている住宅ローン減税の効果は出てこず、10月の新築住宅着工戸数は前縁同期比で27.1%減と11ヶ月連続で減少。そもそも住宅ローン減税とは、新しく住宅を買う際に、個人の所得税から、毎年住宅ローン残高の1%を控除できるというものである。例えば5000万円の住宅を購入し、全てローンを組んだとする。その年末のローン残高に対し毎年1%を10年間控除できるということなので、最初の年末に5000万円ローン残高があったとすれば、50万円所得がなかったということにできるのである。税額からしたら30%の税率で年間15万円(ここではざっくりと計算)ということであろう。人それぞれ受け止め方は違うと思うが、私からしたら、自分と会社、世界経済の今後30年という不確定な将来を、ローン(借金)を組んで5000万円もの高額の買い物をしようとはとても思えない。目先の年間15万円が得したところで、そんなリスクを冒そうと思うだろうか。目の前に餌をぶら下げて景気対策をしたつもりでいるのなら、国内産業が儲り、早く従業員の賃金が上がるような、根本的な景気対策を実行してもらいたいものである。
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