銘柄紹介:クックパッド(2193)
今年7月17日にマザーズに上場したクックパッド。一時期のIPOブームも終わり、初値が公募価格を上回るのも珍しくなったこの頃だが、このクックパッドは大きく公募価格を上回り、今なお初値よりも高い水準でいる。
今期の利益予想は4億円だが時価総額はなんと既に320億円!つまりPER(株価収益率)は80倍ということになる。他の勝ち組ネット企業であるカカクコムで30倍、ぐるなびで18倍のため、ずいぶん投資家の期待も高いことがわかる。
しかしながらまだ利益自体が4億円とそれほど多くないのも、今の収益基盤が一般ユーザーからは、月額294円(これも選択制)のみ。これを払えば人気レシピランキングなどが閲覧できるという物だが、その会員数はすでに十数万人。仮に15万人だとして、それだけで年間の売上が約5億3000万円である。しかもそれはまだ全体の会員数の3%でしかないというのだから、このPERも納得のいくところがある。
ポイントとなるのは将来の成長性というよりも、佐野社長がどこまで利益を求める会社にしていくか、というところであろうか。『600万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス』を読む限り、クックパッドの求めている方向性と上場後の個人株主が期待する方向性が必ずしも一致するとも思えない。つまりユーザー第一で考える佐野社長と、株価第一で考える株主とではどこか考えの相違が出てくるのではないかと思う。
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