【データから見る日本の問題点】アベノミクスで「誰が」得をしたか?
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
今回の資産運用相談ホームページブログでは『【データから見る日本の問題点】アベノミクスで「誰が」得をしたか?』について考えてみます。
実質2013年から始まったアベノミクス+金融緩和ですが、約1年数ヶ月が経過し日本の株式市場は大盛り上がりです。(日経平均株価は2000年5月以来の高値圏)また、為替は100円台から120円近くに約20%近く円安ドル高水準になっています。
さて、そうした経済環境の変化の中、アベノミクスで「誰が」得をしたか?という点です。(「得」とは、経済的に恩恵を受けた人を指します。)アベノミクス自体はまた終わった訳では無いものの、1年以上経過すれば振り返るのも当然ですよね。
<得をした人(経済的に恩恵を受けた人)>
・安倍政権(与党、自民党、利害関係のある政治家、関係者、関係団体)
・株式を保有している人(富裕層、企業経営者、証券会社など)
・外貨資産を持つ人(外貨給与所得者(外資系企業従業員)、オフショアファンド運用の投資家、外国債券、外貨預金をしている人、海外資産保有企業など)
・輸出企業(トヨタ自動車など)
・住宅ローンを組んでいる人(低金利のため)
・外国人(円安によって日本への渡航が20%割引)
など・・・。
一方の、
<「得」をしていない人(経済的な恩恵を受けられない人)>
・株式を保有しない人(特に、20代〜40代の若い世代)
・退職者や年金受給者(「マクロ経済スライド」発動により年金額減少)
・働き盛りの一般サラリーマン(円安による実質賃金の目減り)
・専業主婦(「配偶者控除」の見直しなど)
・輸入業者(コストアップで収益悪化)
など・・・。
何事にも「良い面」と「悪い面」があって両者対立するのは、いつでもそうなのですが、、、特に中間所得(ここで言うと「働き盛りの一般サラリーマン(円安による実質賃金の目減り)」に関する人たちが最も影響を受けていると思います。)
まず、安倍政権主導で経団連に対して「賃上げ要求(ベア要求)」をしていましたが、実際にそれで「所得が増えてハッピー!」という人たちの割合はどの位増えたのでしょうか?少なくとも統計上の数字からは、決してそう見て取れません。
その理由が「実質賃金」が18ヶ月連続目減りだからです。
<毎月勤労統計調査 H26年12月確報>
「実質賃金」というのは、名目賃金から消費者物価指数を除いて算出します。具体的に言うと「仮に、ベア要求によって給与が20%増えたとしても、同じように物価が20%増えていると、実際の給与(賃金)は増えていませんよ」ということですね。
現時点で日本国内ではこの状況が18ヶ月連続(1年6ヶ月)で起こっています。つまり、主には「円安」による物価上昇に対して、所得の増加が追い付いていないという状況を表しています。日本国内で働く大半のサラリーマンは「日本円(JPY)」で給与を受け取っているので、実際は所得が増えているとは言えない状況です。
実質賃金は、実体経済に遅れて反映される指標(遅行指標)なので「賃金は今後上昇してくる」という見方がされていますが、その「今後」がいつか分かりません。安倍政権や経団連は「そのいつか来る今後までは耐えろ!」とでも言うのでしょうか??気づいたら18ヶ月が20ヶ月、24ヶ月・・・となってしまいそうです。
少なとも円安によって物価が上昇して「円ベース」でお金が減っている状況を回避するには、外貨資産を持った方が良いのです。例えばUSDを持っているだけで、USDベースでは20%近く資産が増えている事になります。だから、外国人が多く日本を訪れているのです。
アベノミクスで「得をしている」のは「一部の株式や外貨資産を持つ人」です。一方の日本の中間所得層(主にはサラリーマン世帯)はそういった資産をもっていない人がほとんどなので、反対にアベノミクスによって資産が減らされています。
資産を守るのはどうすれば良いのか?資産を増やすにはどうしたら良いのか?しっかり経済や政治状況を確認して判断したいものですね。資産運用のご相談をご希望でしたら、いつでもどうぞ。