【初心者の心得】「元本割れぜずに配当(金利)がある運用」は存在しません!
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーのマハラです。
今回は、投資(資産運用)初心者が陥りやすい考え方(元本保証と元本確保)についてお伝えしたいと思います。
サラリーマンであれば、60歳や65歳時には長年勤めた会社を退職する日がやって来ます。そして長年、給与を受け取っていた銀行口座に退職金(例えば2,000万円などのまとまったお金)が振り込まれてきます。嬉しいですよね!
一方、この給与を受け取る銀行の行員は「待ってました〜!」とばかりに、「退職金運用プラン」「退職金で保険に加入しましょう!」「退職金優遇金利(このファンドに投資したら=抱き合わせプラン)」と様々な攻勢をかけてくる訳です。
退職すると、それまで日々働くのが大変で資産運用を考える余裕が無かった為か、運用をしたことがない為か「この退職金、運用をする方が良いのだろうか?」とアレコレ悩みます。(一方、現役時から資産運用をしている方は沢山いますが・・・)
そして、投資初心者の考える行き着く先が、
『元本割れぜずに配当(金利)がある運用』が良い!
と、よく考えるとハチャメチャな考え方となってしまうのです。
結論として、そのような「運用商品」は存在しません。
「元本割れをしない」というのは「元本保証」であってこれは「いつ解約しても、引出しをしても100%絶対に戻ってくること」を意味します。これに該当するのは、銀行預金やゆうちょ貯金(ペイオフ上1,000万円迄)です。もしくは「運用商品」として日本国家が破綻しない限り(但し100%ではない)日本国債やMRF(証券口座のマネー・リザーブ・ファンド)が挙げられます。
大前提として資産「運用」である以上は「投資家自身がリスク(不確実性に賭ける事)を取って、その見返りとしてリターン(利益)が生まれる」のです。
それにも関わらず『元本保証で、多少でも安定した金利が欲しい』という投資初心者の相談が後を絶ちません。『自分がリスクを取らずしてリターンだけ欲しいというムシのいい話』ですが、運用や金融マーケットの世界にそんな都合の良い話は転がっている訳が無いのは良く考えれば分かるはずなのですが・・・。
ただ、今の40代半ば以上は、銀行金利が8%あった時の世代で「安全で預けていればお金が殖える時代」を生きた方が多いので、この『リスクとリターンの表裏一体』を咀嚼するのが難しいのかも知れません・・・。
また、良く間違えられるのがオフショアファンドの1つの戦略でもあり、一部の401K(確定拠出年金)の中にあるような『元本確保型』ファンドです。「元本確保型(Guaranteed Fund)」は、数年間の運用の満期時に投資額の全て(90%など)が確保されて運用されるものです。これも決して元本保証ではありません。ですが、5年などの満期時には運用が悪くとも元本が確保されて償還するので、安全志向の投資初心者には向いている運用戦略の1つですね。
今後ますます、円安傾向(インフレ傾向)が進む場合には、どの世代の人たちも(まして退職金を受け取り、その先は安定的な収入が無い世代にとっては)日本円資産の目減りや実質可処分所得の減少には目を背けられない時代がやって来るでしょう。マスメディアによる「資産運用の時代です」とのキャッチコピーが流布するのも決して間違いではないはずです。
1歩1歩確実に『老後は年金はあてにせず自分の資産は自分で殖やして守る自己責任時代への入口』に歩みを進めていますね。