世界各国の経済指標
最近変化が早すぎて、金利、失業率、GDP、などわからなくなってきていると思うので、ここに比較としてまとめておこうと思います。よく投資の相談となると商品の話ばかりされる方がいますが、こういったマクロ経済を知らないことには、投資先など決められませんので、目を背けず一つ一つ理解していってください。
GDP(2011年) 鉱工業生産 失業率 消費者物価 経常収支 政策金利 外貨準備高
(%) (%) (%) (%) (億ドル) (%) (億ドル)
日本: -0.7 13.4 4.6 0.4 966 0.10 12040
米国: 1.7 5.2 8.2 2.3 -4734 0.25 458
ユーロ圏: 1.4 -2.2 11.0 2.6 118 1.00 2124
ドイツ: 3.1 -0.7 6.7 2.1 2028 1.00 390
フランス: 3.1 -0.9 9.6 2.4 -616 1.00 264
イタリア: 0.4 -5.8 9.8 3.5 -594 1.00 352
イギリス: 0.7 -2.6 8.2 3.0 -464 0.50 604
カナダ: 2.5 0.4 7.3 2.0 -484 1.00 562
オーストラリア:2.0 0 5.1 1.6 -334 3.50 285
中国: 9.2 9.3 4.1 3.4 2895 6.31 33049.7
インド: 7.2 -3.5 - 7.2 -590 8.00 2544.1
インドネシア: 6.5 0.8 6.6 4.5 -38 5.75 1164.1
韓国: 3.6 0.7 3.4 2.5 282 3.25 3108.7
ロシア: 4.3 1.3 5.8 3.6 1103 8.00 4656.6
トルコ: 8.5 2.4 10.4 8.3 -874 5.75 786.0
南アフリカ: 3.1 1.2 25.2 6.1 -543 5.50 412.1
ブラジル: 2.7 -2.9 6.0 5.0 -516 8.50 3723.7
アルゼンチン: 8.9 -0.5 7.1 9.8 0 - 413.5
メキシコ: 4.0 3.1 4.9 3.9 -90 4.50 1550.6
順番にご説明していくとGDPは成長率を表すので多いほうがいいです。この数字はあくまで前年比なので、前年が悪ければよく見える、という形です。今年の予測値は敢えてここには載せていませんが、日本は+2.0%など、昨年震災があって大きく後退した後なのでよく見えたりもします。
次に鉱工業生産。これもその国がどれだけ生産しているかという話なので多いほうがいいです。ただしサービス業などで成り立っている国はあまり関係ないかもしれませんね。
次に失業率。これは当然低いほうがいいです。失業率が高ければそれだけ職場がないということであり、個人所得も低くなり、消費もされない分景気も良くなりません。
これに関連して消費者物価。これは要はインフレ率なので、マイナスだとデフレということになります。ただこの数字は決して高ければいい、低ければ悪いというわけではありません。新興国のように高すぎても以前の日本のようにバブルにならないようにこの物価上昇率を低くするような政策をします。短期で一気に成長するよりも緩やかな長期成長が望ましいということですね。しかし先進国のように、成長したくても経済が成熟してしまっていて物が売れない=消費者物価が上昇しないというのもあまり良くはないものです。
次に経常収支。これは輸出と輸入の差のことで、これが+であれば輸出のほうが多い(自国が儲かっている)。逆に−であれば、輸入のほうが多い(自国が買い手になってしまっている)ということになります。中国や日本のように+だというのは珍しい状態というのがわかります。これがよく貿易摩擦やFTA(自由貿易協定)で問題になるところですね。中国のように儲けすぎていてもマイナスの国から叩かれます(笑)。
次に政策金利。これは短期金利のことを指すので、ここから銀行の預金金利や国債の金利などが決まります。投資家からするとこの金利は高ければ高い方がいいように思えるかもしれませんが、実際は高すぎると自国通貨が高くなりすぎる(=経常赤字になる)ことなどもあるため、マクロ経済全体から見ると必ずしもいいこととは言えません。先進国を見てもらえうと、これが逆にほとんど0~1%程度になってしまっているのがわかります。ここからわかるように、先進国に住んでいる国民は、預貯金をしているだけではお金は増えないことがわかります。以前は日本が低いだけでアメリカ、ユーロ圏などどこも金利がありました。それがここ最近の世界的景気後退で景気刺激策として利下げを行なってきた結果、こうなってしまったということですね(その結果はまだ景気回復していません)。
最後に外貨準備高。これは通貨政策を取る時に、自国通貨を買い支えたり、売って価値を下げたりということができる手段となります。また他国の国債を保有していることになりますので、債権者(株主のようなもの)になっているということで、国際的な存在力が上がります。
難しいように思えるかもしれませんが、これが国際指標です。これ以上のデータは逆にそれほど重要でもなくなってくるので、最低限この辺りの指標は抑えておいた上で、ニュースなどを見てアップデートしていきましょう。何に投資をするのか決めるのはその後ですね(もちろんそういったわからないところを補うのが我々投資アドバイザーでもありますが)。
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