国債の利回りを見るのによく使われるのが10年国債(長期国債)。昨年末のその金利がこちら。
1位:スイス:0.74%
2位:日本 0.96%
3位:スウェーデン 1.70%
4位:デンマーク 1.73%
5位:ドイツ 1.82%
6位:米国 1.97%
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8位:イギリス 2.10%
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12位:フランス 3.18%
13位:オーストラリア 3.27%
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22位:スペイン 5.40%
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25位:イタリア 6.54%
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30位:ポルトガル 13.85%
31位:ギリシャ 25.91%
まず長期金利を理解しないといけません。これは単純に金利が高ければ高いほど、低ければ低いほどいいというものでもありません。
まず低い国を見ると、日本、スイス、北欧など政治的にも安定している国があります。これは国の信用度合いが高いから、金利が低くても資金調達できることを表しています。ただし日本の場合、日本国債を発行した後の購入者はほとんど同じ日本人。対して他の国は他国から信用度合いが高いから金利が低いまま、ということもあります。
もう一つの要因として、景気刺激策(政策金利下げ)を行なってきた結果、限りなくゼロに近くなってしまった結果、長期金利もこのように低くなったということです。
次に高い国を見てみましょう。金利が高い国の中にもオーストラリアのように政治も景気も良い国があれば、スペイン〜ギリシャのように政治も財政も景気も悪く、国の信用度合いが低い国があることがわかります。このような国は高い金利をつけても国債を買ってもらえないため、金利がどんどん上昇していきます。
では我々日本に住む日本人にとって金利は高いほうがいいのでしょうか?金利が上昇すれば、預貯金をたくさんしている人にとっては良いことです。しかし資金調達をしたい企業や消費をして欲しい企業にとって、お金が銀行に行ってしまう(使ってもらえない)ということになることはマイナス要因です。しかしある程度の金利が通常ないと、景気が悪化した時に金利を下げるという行為(景気刺激策)ができなくなります。そのため金利がある程度あることが必要となります(日本はそうでない)。
しかしながら先進国は一気に金利が下がってしまったという今の状況下でどこまで政策金利を上げられるものなのでしょうか。金利下げることよりも金利を上げることの方が難しい中、世界の景気が拡大していく舵取りをしていくのも難しそうです。
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