証券会社、株・投資信託の手数料値引き合戦
証券会社が株や投資信託の手数料を値引きし、顧客争奪戦をしている。どこの証券会社も商品は同じ、販売員もただ手数料稼ぎをするだけの人材ばかりで、値引きをするしかなくなったからである。要はネット証券含む証券界でもすでに産業の発展が頭打ちをし、デフレ時代に入ったということである。
まず株取引。まず現物株の手数料を数百円まで下げたネット各社が、今度は信用取引の手数料を無料化してきた。気手数料がなくても、多くの人が信用取引をすることで、金利収入をもらおうという戦略である。
会社ごとに見ていくと、松井証券が少額取引(1日あたり10万円まで)に関しては恒久的に無料。大和証券、日興コーディアル証券も期間限定で無料。SBI証券も4月まで手数料を還元するそう。
しかしそれでも日本株全体の売買代金は減っている。2010年の売買代金は前年比2割減(107兆円)である。リスクだけ高くて儲からないのだから当然だろう(笑)。
次に投資信託。もういい加減証券会社の投資信託回転売買営業というものにうんざりしているのが見える日本の個人投資家だが、購入手数料がゼロという投資信託が出てきている。名前をノーロード型というのだが、これであれば証券会社は売買をしてもらっても全然意味がない(手数料が稼げない)ので、長期保有できる。やっとまともな資産運用をするための必要最低条件にスタートラインに立てるというとことである。そして当然ながら、このノーロード型の残高はどんどん増え、本数で約170本、純資産残高で1兆円を突破した。
アメリカではすでに主流になっているこの「ノーロード型」を日本の一般の個人投資家にどこまで情報がまわるかというところがポイントだろう。そのためには当然野村證券はじめ証券会社が「「ノーロード型」を主力商品という位置づけにしなければいけないのだが、それをするには余計なコスト(人件費、広告宣伝費、オフィス代)などがかかりすぎているので、リストラをはじめ先にやることがたくさんあるだろう。皆さんがそれまで待っているかどうかは、個人の自由ですね(笑)。