イタリア最大手銀ウニクレディト7400億円増資
イタリア最大手銀行ウニクレディトが今回のイタリア国債価格急落を受け、7400億円(70億ユーロ)規模の増資を行なった。既存の株主に新株を割り当てる株主割当増資のため、新たに株主を増やすわけではなくなる。
しかしながら今回の増資後も中核自己資本比率を9%以上に保たなければいけないことはすでにEUで決まっていて、2012年6月までにすべての銀行がこれに従うことになる。
このEUの取り決めも、当然ながらレバレッジで高リスク経営を続ける銀行を規制で抑制させる目的であり、間接的に市場や預金者を守るためではあるのだが、銀行にとってはこれをすべて自助努力で達成しなければいけないため、リストラやリスク資産売却に必死である。
ではこのような場合、AIG(米国)やRBS(英国)のように政府が助けてくれるのだろうか?今回のイタリア政府は、そもそも自分たちが借金をしすぎで他国政府(EU)から財政改革を求められているため、自国の私企業である銀行を助ける余裕などどこにもない。つまり銀行が潰れても預金は誰も保証してくれないということで、預金者も現金を引き出し始めている模様。これがイタリア最大手銀行の現状である。
さて、これを我らが日本に置き換えて考えてみよう。対GDP比の負債比率は200%とイタリアの倍。毎年財政赤字のため、この負債はさらにどんどん増えていく。今世界中はユーロ圏の問題にかかりきりだが、日本もいつか正される時が来る。そうなると自己資本比率も低い日本国内の最大手銀行(現状)三菱東京UFJ銀行も同じような状況になる。政府は必死に平静を装い、マスコミにも圧力をかけ本当のことを伝えさせない。海外ではすでに日本破綻と報道されているが、外国のニュースを見れない日本人は、
「皆が預けているから大丈夫だろう」
とTVでお笑い番組を見ている。そのうち昨日までの会見とは一転して、
「日本は危機的状況にある」
と首相、官房長官が言い出す。国民が・・・
「私の預金はどうなるの??」
と考え出そうとする中、立て続きに、
「皆さんの預金は混乱を防ぐため、国家を安全に維持していくために一時引き出しを制限いたします」
と畳み掛けます。決して国家破綻、デフォルト、預金封鎖という言葉は使いません。しかし海外メディアでは毎日のようにこの言葉の連発。しかし英語を理解しない日本人(というよりもこういった日本語の教育自体受けていないのでは?)は、ただ隣の人の行動を見て自分も行動します。
さて、今できることはなんでしょう?
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