日本政府が円高対応のために1000億ドルの基金を設立
日本政府が直近の急激な円高を機に、円高対応のため1000億ドルの基金(ファンド)を設立することを発表。具体的な活用策は以下のとおり。
・日本企業による海外企業へのM&Aや資源権益の確保
・為替トレーダーが保有する外国為替のポジション報告の義務化
なにもしないよりはすることを評価したいところではあるが、そもそもこんなこと政府が言わなければいけないというのが正直バカな話。日本企業が海外企業の買収などをしようというのはすでに企業側サイドで起きていることだし(武田薬品、ユニ・チャームなど)、それを今更政府がお尻を叩かないと動かないというのなら、日本の産業界が情けないのか、政府がずいぶん勘違いしているほど遅い反応なのか。違和感を覚えずにはいられない。
さらに外国為替のポジションを報告しろというのは、金融の世界ではこれまたバカげた話。ポジションを明かすということは、自分が裸になって官公庁に顔を出すようなもの。そんなものを知った上で、どうしようというのか。円高の犯人を捕まえようという目的なのかどうかはわからないが、どんどん共産主義(保護主義)に走っているようにしか見えない。要は能力で勝る者だけが勝っていく資本主義では中国やその他諸国に勝てなかったので、保護主義に戻そうというのである。情けない限りだ。
政府に経済や金融のプロがいないのか。以前の竹中平蔵さんのような有識者が内閣の中にいないことが原因なのか、政治が専門家ではない私にはわからないが、なんにせよこのままでは政府の存在意義がないことはわたしにもわかる。