スイスフラン高値続く
世界的に信用のあった米国、ユーロが今の景気不安に陥ったせいで、スイスフランや円などこれ以上景気対策をしようがない(手の尽くした)国へと資金が流れている。結果的にスイスフラン高、円高になっているのだが、日本と同様、スイスもこの対策に困っている。
為替を安くするためにできる対策としては主に以下の通り。
1)利下げ(他通貨に比べ投資魅力を低下させる)
2)量的緩和(市中の紙幣を増やして、貨幣価値を下げる)
3)為替介入(自国通貨を使って他国通貨を購入する)
1)はすでに日本同様スイスもゼロ金利政策を取っているので、これ以上どうしようもない。
2)は今回も量的緩和策を続けているが、そもそも日本を見ればわかるように、量的緩和が為替相場に影響を与えるのは限定的。やらないよりはマシだが、通貨高の歯止めを期待できるものでもない。
昨年、3)の為替介入をして260億スイスフランの損失を出したスイス国立銀行は、これ以上単独でも為替介入には消極的。つまりスイスフランをユーロ相場に目標を設定する(ペッグするようにする)と簡単に言ってもすぐにできるものではないのである。
結果、今までに例にないほどスイスフランは上昇し続けていく。ではどこで歯止めがかかるのか?これはもう政策というよりも、安くなっている通貨(米ドル、ユーロなど)の景気がある程度回復する見込みがたつのを待つしかないのである(自国の景気を悪くするわけにはいかないので)。
今後は今までに歴史にない相場環境も踏まえた投資行動をしておかなければならない。
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