銀行預金、融資にまわらず
最近やたらと投資信託や変額年金保険の販売をして手数料稼ぎをしている銀行ですが、本来の銀行の仕事というのは資産運用ではなく融資です。そう、個人からお金を預金や定期で預かって、そのお金を企業や個人のお金を借りたい人たちに貸すことで、利ざやを稼いでいます。
そして最近、景気が世界中で悪くなるにつれ、また資産運用で損をする人が多くなるにつれ、預貯金をする人が増えているのです。そりゃそうですね、リスクを取って皆損したのでは、投資(資産運用)の意味がない。なにもしないで預貯金に置いておけば、たしかに金利も付きませんが減らないのでまだマシです(笑)。
銀行の預金残高は99年からずっと増え続けていて。当初470兆円程度だったのが、今だと564兆円もあります。しかしその反面、銀行は企業へリスクを取ってお金を貸すことを嫌い、貸し渋りを続けています。そう、個人の預金者と同じ心境です(笑)。リスクを取って損をするのが怖いのです。企業の貸出残高は2004年から一時は多少増えましたが、結局また貸さなくなりだし、直近だと416兆円。つまり先程の564兆円との差額分は全部、キャッシュのまま銀行の金庫に入ったままということです(厳密には日銀の金庫)。
「金融」という言葉は、お金を融通するから金融と言います。銀行がお金を貸さなかったら、誰がお金を企業に融通するのでしょうか?債券を発行?増資で株を刷る?ほとんどの日本の企業は上場していないのですから、一般の人はどんな会社かわからず、資金を出してくれるわけがありません。結果、資金が足らず倒産したり、将来への設備投資もできず、景気も良くなっていかないんですね。