投信残高の順位に変動 グロソブ残高3兆円割れ
日本の投資信託の残高順位にも変動があったようです。
今まで不動の1位だった『グローバル・ソブリン(グロソブ)』は、5兆5000億円もの残高が一時期あったが、運用の悪化による基準価格の下落と相次ぐ解約で、ついに3兆円を切った。
続いて2位だった『ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)』も2兆円を超えていたのに今や1兆円。
続いて3位だった野村證券の『マイストーリーBコース(為替ヘッジなし)』も2兆円近くあったのに、今や8000億円程度。
これらの背景には以下の要因が考えられる。
1)運用成績が悪く、基準価格が下落したことで投信残高も減少
2)運用不振により投資家の解約が相次いだ
3)運用不振を口実に、証券会社や銀行員が「売却して〇〇にしましょう。」と言って乗り換えをした
である。
この3つのファンドが「毎月分配型」「債券投資型(グロインは株だが電気ガスなどの資産株)」という本来長期投資型で、あまり景気の波に左右される銘柄でないことを考えると、やはり3)の証券会社など販売側による誘導が大きいものと思われる。これを読んでいる方でも「売却して〇〇にしましょう。」と言われた方が多いのではないですか?私の相談の中にもとても多いです(笑)。
対して急激に資産残高を上げてきたのが「ブラジルレアル建て」「ハイイールド債」などの高金利型投信。リスクは何も資料には提示されていないが、だいたいグロソブの倍くらいはある。だから金利が高いというのだが、皆さんお構いなしらしい(笑)。上記のとおり、そもそもグロソブもグロインもマイストーリーも、金融危機などの際運用成績を悪く解約をしたはずなのに、やっているのはさらにリスクを取りにいく行為である。今度下がったら日本株並の下げとなるので、きっとその時にまた再認識するんでしょうね。時代は繰り返されるものです(笑)。
ちなみに順位を上げてきて総合2位となった野村證券の『野村グローバル・ハイ・イールド債券投信(バスケット通貨選択型)』は1兆円を越えたところで販売停止(というか自粛)。要は「マイストーリー」→「グローバルハイイールド債」に乗り換えていたということですね(笑)。
マイストーリーを抜いて総合4位になった『ブラジル・ボンド・オープン(毎月決算型)』がもう少しで1兆円です。
先程の米国のETFに比べて、いかに日本が流行に左右されているかわかりますよね。消費ならともかく、投資で流行を追いかけてどうするのでしょう?流行っているものよりも、自分の考えと資産に合っているものを選んだ方がいいと思うのですが・・・。消費では流行が遅れれば恥ずかしくて外へ持ち出せなくなり、捨てるかお蔵入りですが、金融商品は流行が過ぎるとその時には価格は下がっていて半分になっている時もあります。大事な金融資産ですから、お蔵入りしておくわけにもいきませんよね。お蔵入り(=塩漬け)にしている人も多いのが現実ですが(笑)。
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