米ETF市場が急拡大 資産残高90兆円に
アメリカのETFの残高が急激に増えている。個人投資家やヘッジファンド、機関投資家(年金基金など)の買いによって、リーマン・ショック後に5000億ドル(約50兆円)だったETFは残高は、直近倍近くの9500億ドル(約95兆円)になっている。
手数料が安くて、サラリーマンファンドマネージャーに変な運用をされないで済むETFは、どの点から見ても投資信託よりもいいのだが、日本では全然普及せず残高が少ない(板が薄い)ため、まだまだちゃんとした価格形成には難しいところもある。
しかしアメリカのように、これだけの残高があれば投資信託よりもETFへ投資して当然だと思う(米国の投資信託全体に占めるETF残高は1割)。
以下が上位5位のETFとその残高です。
SPDR米S&P500種株価指数(米国株):785億ドル
SPDRゴールド(金):572億ドル
iシェアーズMSCIエマージングマーケット(新興国株):461億ドル
バンガード・エマージングマーケット(新興国株):410億ドル
iシェアーズMSCI・EAFE(米国・カナダ以外の先進国)344億ドル
こう見るとおもしろいことがわかる。
1)ETFの資産残高TOPは7兆円もある(日本の投資信託のTOPである「グロソブ」は3兆円)。
2)ETF残高TOPは債券型でもなく米国株式である(日本では日本株ファンドは人気がない)。
3)ETF残高上位5を見ると、米国株、金、新興国株、米国以外の株とちゃんと分散されている(日本のように偏っていない)。
おそらく根底にあるのは、証券会社が偏った手数料稼ぎの商売をしないからだというのもある(アメリカでは違法なので)が、やはり投資家であるアメリカ国民がちゃんとした金融リテラシーを教育されてきたからだと思う。日本のように証券会社が作った人気度ランキングで選んで、「皆で投資すれば怖くない(逆に皆が投資していないものはワケもなく怖い)」と言っているのとは次元が違うように思える。