証券会社の投信リスク説明に金融庁が新規制
「投資信託」と言えばどのような印象を受けますか?
・分散投資できる。
・世の中で人気がある金融商品
・金利が毎月出てくる商品(毎月分配)
・初心者向けの安全な商品
逆に悪い面では・・・
・手数料が高い
・証券会社のドル箱商品
・本当はリスクが高いのに、それは損をしてからわかる
という辺りでしょう。
前者の良い面は、すべて証券会社から発しられた情報(広告)。後者は実際に投資をした個人投資家からの意見です。
そんな状態がもうずっと続いていて、投信で利益を出している人がほとんどいません。けれど証券会社の販売強化により、どんどん投信保有者は増えていきます。
それに見かねた金融庁が「リスク」の説明義務を新たに規制をかけてくることになりました(いまさらか、、という話ですが)。ただこの規制というのも結局は個人投資家のためになる話でもありません。業者(証券会社)の負担が大きくなり、そのために必要となる人材、印刷代などはすべて投資信託の信託報酬に上乗せされるだけだからです。
つまり日本国内では、「損したらリスクを説明しなかった証券会社のせい」と言う個人投資家によって負の循環が引き起こされています。損してもそれは自分のせいだから、投資判断を自分でしなければいけないにも関わらず、「損したら証券会社のせい、利益が出たら自分のもの」と言っているから、まともな投資もできないし、投資判断もできないのです。
私の元に毎日多くの相談が来ますが、そのほとんどが・・・
「今、〇〇という投資信託を持っていて、損をしているが、どうしたらいいか?」
という相談です。
当然、私はいきなりそのようなことを書かれても、その方のことを知りませんし、そもそもどのような投資をしたいのか、も聞いていませんから、すぐには答えることができません。だからまずはその方の考えを伺うのですが、それを答えられない人が多い(笑)。つまり自分の意志で投資をしていないのです。そもそも自分がどういう投資をしたくて今の投資をしているのか、すら連結していない人が多いのです。そのほとんどが、「〇〇ファンド」「〇〇毎月分配型」という商品から入っているから間違うのです。
投資信託は金融商品ではありますが、店頭で並んでいるのを見て、「じゃあ、私はこれ」と言って買うようなものではありません。それは消費の世界です。あなたの資産の預け先の話ですから、絶対にこんなことはしないでください。
金融庁もお役所仕事なのはわかりますが、できればこういう規制という形ではなく、もっと別の省庁(文部科学省など)に働きかけて、国民の金融リテラシーを高めることに力を入れて欲しいと思います。投資、金融の分野で1番最初に学ぶことを皆さん知らないからです。きっと小学生に教えたら、家に帰ってきて親に話す時に、親がいかに無知かと思い知ることになると思います。逆に子どもが親を見下さなければいいですが(笑)。それが今の日本の現状だと思います。
そのうち、国民の金融リテラシーが高まり、その後証券マンの金融リテラシーも高まることでしょう(笑)。でないと規制などでは証券マンの本質は変わりません。
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