FRB、6000億ドルの追加量的緩和を発表
FRBが2011年6月末までに追加で6000億ドル(約49兆円)もの追加量的緩和策を発表。これによって、アメリカの株価は上昇し、リーマンショック前の水準まで回復した。そしてそれに伴って、世界中の株価が上昇した。
しかしこれを好感する国と受け入れがたい国があるのだ。日本にとっては景気回復を願いばかりなので、米ドルの為替問題を除いたら大歓迎だろう。欧州もそう。しかしすでに回復した後で、これからはインフレ懸念を抱えているブラジル、インドなどのような国にとってはあまり好ましいことではない。
またさらに6000億ドルもの金融緩和策をするということで、市場にそれだけのドル紙幣が出てくることになる。其のお金は企業への貸出や、個人の住宅ローンなどにまわり、お金を借りた企業や個人は何か物を買ったり、設備投資したりするようになるので、景気が良くなる方向へ向かう。
しかし他国にとって問題なのは、ドル紙幣が市場で増えることによって、ドルの価値が下落することである。ドルが下落するということは、当然それ以外の国の通貨は比較的に高くなってしまうので、日本は円高、他国の通貨も対ドルに対しては高くなる。
民主大敗となったオバマ大統領が、今度共和党とのバランスを取りながら、どのような景気拡大策を打ち、景気を回復させていくのかに世界中が注目している。個人投資家の皆さんにとっても、最も大事なポイントとなるのが米国経済だという認識を持って(もちろん尖閣諸島よりも日本の税制調査会よりも重要)、今後のアメリカを見守りましょう。
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