中国、外資の税優遇全廃へ
中国が1994年から取ってきた市場経済導入政策の大黒柱だった外資優遇税制を撤廃することに決めた。
今まで外資が中国企業に比べて優遇されてきた税金は以下の2つ。
1)都市維持建設税(大都市:7%、中都市:5%、小都市1%)
2)教育費付加制度(3%)
つまりこれらの優遇税制が撤廃されるとなれば、大都市に工場を作ったりビジネスをしている外資は10%の増税となる。
中国は今まで外国の資本(お金)を国内へ呼び込むことによって、急激な発展を遂げてきた(これは日本も大いに見習わねばならないところ)。そのため自国通貨である人民元が安くないと、外資から見て「魅力」を保てなかったので、人民元を固定相場制(今も実質そう)で維持してきた。
その中で、中国の一番の狙いは外国から技術やビジネスノウハウを盗んで国内産業を育て、国際的にとまではいかないにせよ、中国国内の大きなマーケットで強く生き残っていける国内企業を育てることだった(このやり方は高度経済成長期の日本を模倣)。
ここから問題になるのは・・・
1)中国国内企業がそこまでの力を得たのかどうか?
2)中国国内マーケットが中長期的安定成長の元、購買力をつけていくことができるのか?
3)今の世界経済は、以前と違いテクノロジーの発展に伴ってグローバル化している。つまりべつに中国ではなくて、第3国(ベトナムやインドネシアなど)でいいのではないか?
ということである。
特に2)が問題であろう。今の経済がただのバブルで、バブルが崩壊すれば、すでに大量の不良債権を抱えている大手銀行はひどいことになる。IPOをして民主化をしているが、すぐに「公的資金」が入って国営に逆戻りである。もちろんIPOしたということは、市場に株式が出回っているわけなので、バブル崩壊などしたら株式市場も大混乱。世界の投資家は一気に中国市場から逃げるであろう。
それもそうである。人が多くお金使いが荒い、という事以外に、外資(世界)がわざわざ中国に固執する理由などないからだ。べつに中国がバブル崩壊しようと構わない。だから中国一国に成長戦略を絞ってしまうようなハイリスクな事業戦略は立てないようにするのである。リスク回避は分散投資から始まるというのは、個人投資家の投資とまったく同じである(笑)。
今回の優遇税制撤廃で、企業戦略も個人投資家の投資戦略も大きく変わるかもしれない。
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