2010年、中国人民元の価値が3.48%上昇(対ドル)
中国の人民元の価値が昨年1年だけで3.48%上昇しました。しかも6月19日までは、中国人民銀行(中央銀行)が為替介入をし続け、実質固定相場制にしていたので、実質半年だけで3.48%上昇したことになります。
中国の人民元というのは、これだけ騒がれているので皆さんもうご存知だとは思いますが、ずっとアメリカや日本など先進国から「不当に安すぎる」と言われ続けています。中国はずっと固定相場制を取ってきたので、ブラジルレアルなどに比べ為替の変動がなく安定成長を続けてこれました。自国通貨が安いというのは、輸出に大きな力を与えます。自国通貨が安いことで、他国からはその国(中国)の商品を安く買えるようになり、それによって安い国の企業はたくさん物を輸出できるようになります。中国だと質のいいもの、デザイン性のあるものは到底作れませんので、安く大量生産をして、それを世界に輸出し続けてきたのです(偽造品も含めて)。
しかし中国のGDPが増えてきて、全体としては世界と肩を並べるほどの大国になってくると、先進国も黙ってはいられなくなり、中国もついに2005年7月にバスケット相場制(為替介入はするが、ある程度の弾力性を持った変動相場制)に移行しました。もう5年半もたつのですが、まだ完全変動相場制には移行せず、為替介入をし続け、人民元を相対的に安くしています。
さて日本の個人投資家にしてみれば、人民元が安くなっているというのは、投資の好機ということです。人民元を購入しておけば、中国のバブルが崩壊して、極端に人民元の評価(中国の評価)が下がらない限り、ほぼ儲かる投資と言えるでしょう。昨年だけであれば、半年で3.48%のリターンです。リスク(変動率)は?と言えば、かなり安定的に上がっています。中国の中央銀行が堂々と為替介入をしているわけですから、そりゃそうです。
日本からはなかなか投資する機会のない人民元ですが、中国国内で人民元を購入して預金しておけば、良い投資となりそうですね(この場合、当然銀行の破綻リスクも出てきますが)。
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