企業公募増資41%増 今年4兆円超す
今年は昨年よりもさらに企業の公募増資が多くなりそうです。
公募増資とは、要は資金調達。資金調達をする際に、銀行からの借入、株の発行、債券の発行などいろいろあるのですが、今回は株の発行に当たります。
通常、株を増やすということは、既存の株主の株の価値が希薄化するということで、株価は下がる要因となります。しかし公募増資した後に、その企業が成長することができるのであれば、その株価は中長期的には上昇します。個人投資家はここを見極めることが必要となります。
もう一度まとめておくと、公募増資には2種類のものがあります。
1)借金返済などネガティブな公募増資
2)事業戦略拡大のためのポジティブな公募増資
です。
金融危機後の昨年は、どこも資金繰りが悪くなり、目先のキャッシュフローを補うためだけの公募増資が多かったです。メガバンクの公募増資がそうでしょう。
今年は逆に攻勢に出ている企業の公募増資が多いのが良い点です。特に日本国内では今後は投資の妙味がないと判断した企業が多く、海外へ積極的に投資していこうという動きが見て取れます。
【国際石油開発帝石】
豪州沖の液化天然ガス(LNG)開発のため5433億円を調達。
【東レ】
中国で建設中の水処理膜の生産設備資金のため1063億円を調達。
【東京電力】
米国の原発増設への参加資金のため5500億円の増資。
【ユニ・チャーム】
中国への販売拡大(CB=転換社債発行)。
次回は今年最大の公募増資と言われる東京電力の公募増資について書いてみます。
お楽しみに。
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