1998年の外為法改正
今日はちょっとお固い法律のお話です(笑)。というのも、オフショア(海外)投資というのはこの1998年の外為法改正が大きく関わっています。
実はそれまでの日本というのは、今では考えられないくらい外貨の取引が規制していたのです。ほんの12年前、私が大学1年の頃、まだ日本に住む個人・企業は自由に外貨投資、外貨取引をできなかったのです。そしてこの1998年の外為法改正を契機に、やっと自由化へ進んだのです。
こちらが主に変更になった項目です(以下ニュアンスをその通り伝えるため日銀から抜粋)。
1)海外預金の保有(改正前は許可制)
海外の銀行に、資産運用を目的として口座を開いたり、外債投資の決済口座として利用することが可能です。このほか、企業が原材料費等の支払や現地収入の受入れをしたり、個人が通信販売で購入した商品の代金を支払うなど、多くの目的に活用することができます。
2)対外貸借(改正前は事前届出制)
届出手続が不要となることにより、機動的な貸借が可能となります。
3)居住者間の外貨建て取引(改正前は許可制)
国内企業間における製品売買代金の外貨建決済が可能となり、為替手数料の節約につながります。また、銀行以外の者から、旅行用外貨や外貨建金融商品を購入することも可能となります。
4)クロスボーダーの証券取引(改正前は事前届出制)
国内投資家が、海外の金融機関から、直接、債券や株式を購入できるようになり、資産運用の選択肢が拡大します。
5)相殺、マルチネッティング等の決済(改正前は許可制)
企業は、より効率的な資金管理を行えるようになります。
つまり個人の海外口座の保有、個人の海外直接投資(株、債券、投信、不動産など)、外貨送金、クロスボーダーの貸借、企業間取引がやっと自由化されたのです。
今だと中国の人民元を連想するような状況ですが、現実の話です。1998年頃から投資ファンド(俗に言うハゲタカ)が日本へ来て、買収を展開しだしたのもこういった理由からですね(外為法改正含め、金融ビッグバンが起こっていた)。
ということで、その頃からオフショアファンド会社も日本の個人投資家も投資に参加できることを認識し、少しずつ間口を広げています。
また海外送金をするにも銀行からの送金で済むようになったのですが、邦銀もこの頃から業務を開始しているので、結局まだ業務に慣れていないのです。いまだに店舗へ行くと顧客に質問を浴びせたり、トンチンカンな質問をしたりします。まぁ、ある意味しょうがないということです(我慢してください)。