買収ファンドM&A回復
世界の買収ファンドがM&Aを活発に再開しだしている。金融危機後、一気に冷え切ったM&A相場だったが、M&A総額としては金融危機前(2008年)の水準を回復している。
ただこの今年に入って買収を仕掛けているのは、あくまで2007年頃に設定したファンドの資金をまだ使いきっていないからだそう。つまり最初に投資家と決めた5年の運用期間があるとすれば、2007年に設定したファンドの満期は2012年。それまでに買収して、株価を上げて、売却しないと利益確定にならず、投資家にも収益を還元することができない。
一方、新規のファンド設定はというと、これはかなり難しいよう。世界の投資家が今なお先行き不透明ということで、資金を新しく出すことに慎重になっている模様。
また買収するには借入をして、そのキャッシュを使ってバイアウト(買収)をすることが多い。これをLBO(Leveraged Buy Out)というのだが、いい案件であれば、銀行からの借入はできている模様。
本当は今84円/ドルを割るような円高局面なので、もっと日本企業が世界の企業を買いに行ってもいいと思う。15年ぶりの円高なので、15年に一度の大バーゲンである。前回の1995年はというと、同様に日本企業の海外企業買収案件はあまりなかった。円高になると日本の企業体力が弱ってしまって、買収どころでないのかもしれない(笑)。