円高対策で海外生産拡大
近年の円高が、輸出産業に大きな打撃を与えている。
円高が1円進めば、輸出関連企業の利益は1%失われると言われている。1999年では2.1%減ると言われていたのが、その差がどこから来たのであろう?
それは海外生産の比率を各社上げてきていることからきている。
1995年に海外比率が8.1%だったが、2009年には17.8%となり、自動車産業だけでいうと25%を超えている。
同時に海外現地法人での雇用者数も増え続けていて、95年に233万人だったのが、2008年には452万人と倍増している。
そして海外での設備投資も同様に1995年の1兆7000億円から2008年の3兆6000億円へとこれまた倍増している。
この統計の意味するところは、日本の空洞化である。要は、日本企業が日本での生産から海外生産に移り、コストと製造効率を上げ、同時に為替リスクの分散をしているのである。
これは何かの構図と一緒である。そう、個人投資家の資産運用である。国内では非効率な運用商品と高い手数料を取られ、円という資産一極のポートフォリオから国際分散投資へと切り替えだしている。
結果、為替がどう転んでも利益が出せる体質になるのである。
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