投資家、進む株離れ
日本株の商いが冷え込んでいる。
一日の売買代金が1兆円を下回る日々が続いている。今回これだけ低水準が続くのは2005年前半以来とのこと。2005年前半と言えば小泉政権になり、郵政民営化を推し量るため衆議院総選挙をした時である。小泉さんによって、日本の株式相場は救われました。
月間の売買代金で見ると、60兆円前後あった2005年後半〜2008年前半と比べ、現在はたったの30兆円前後。約半分である。
今回、商いが低調な一つの要因は、個人投資家の含み損である。含み損率で見てみると17.11%とドバイショックで急落した昨年12月以来の水準である。
もう一つの要因は、世界的にリスク回避の動きがあるということ。日本でも長期国債がついに0.9%を割ってしまったが、同様の動きはアメリカでもある。長期国債の金利が低下するのは、債券が買われているからであり、債券が買われるというのはリスク回避お動きがあるということである。
最後に日本独自の要因として円高がある。為替というのは、物々交換の天秤のようなものであり、円が高くなっているというのは、その他の通貨と比べた時に相対的に高くなっているということである。例えば米ドル。今86円/ドルくらいになっていて、ずいぶん円高になっているが、その反対側のアメリカでは、ドル安になっているということである。輸出産業は大助かりである。
しかし世界で見ると通貨が過剰評価されているのは米ドルと円。つまりドルも同様にその他通貨に対して高くなっている。じゃあ、どこが安いのかというとユーロやポンドのような先進国通貨である。そう、上記の通り、ヨーロッパ諸国からしたら、輸出拡大のチャンスなのです。ギリシャをいいことに今のうちに稼げるだけ稼ごうという状態です。
ということで、円高が是正されるべきと日本人は思いますが、今の政権に為替政策を取るほどの余裕もなく、なにもされないままきています。「このまま続くだろう」という市場の見方から、円高になり、株も買われません。