混迷の不動産市場を乗り切る 優良資産への組み換え術 〜福田郁雄著
不動産と一言で言っても、いろいろな不動産があります。土地、建物、賃貸マンション、山林などですが、それとはまた違う意味でのくくりもあります。
1)生きている不動産(収益物件)
2)資産としての不動産(先祖からの代々の土地、居住用の土地・建物など)
1)は他人に貸すことによって、賃料収入が得られます。もちろん修繕費、不動産業者へ支払う費用、税金などがかかりますが、それでも収益として返ってくる分があります。
投資物件によっては実質(費用等控除後)10%出るものもあれば、結局5%切ってしまうものもあるそうです。この本の著者福田郁雄さん曰く、そういった利回り物件は全体の10%もないそうです。
混迷の不動産市場を乗り切る優良資産への組み換え術--資産を守り、増やしていくために地主・資産家・中小企業オーナーがとるべき対策は... (住宅・不動産実務ブック) (2009/01) 福田 郁雄 商品詳細を見る |
なにで見分けるかって、本にも色々書いてはありますが、プロも同じように見ていくわけですから、個人の不動産投資家がそれを見つけるのには、ずいぶんディスアドバンテージ(不利)があるでしょう。
2)は資産と言えば資産ですが、売却してキャッシュを受け取るまでは固定資産税なり、相続税なり、現状維持費用なりかかりますので、負の資産でしかありません。なにもインカム(収入)が得られないわけですから、リッチな気分だけあって、銭足らずです。
日本の富裕層というのは年収(インカム)で計る場合と、この資産総額で計る場合がありますが、昔ながらの伝統的なのは資産総額で計るほうです。
資産総額のうち、代々受け継がれた土地を多く保有している方、全体の資産に占める不動産の比率が高い方は、キャッシュばかり出ていきます。こういった方は、意外に金融資産はないものです。本当に金融資産がなくなってしまった場合は、その時になってしょうがなく土地を安い値段(売りたい意志が強く、交渉の余地がないわけですから)で売却し、都度キャッシュを作っている状態です。
だからそうではなくて、資産の組替をすることで、生きた不動産にしましょう、という話ですね。
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