【資産運用Q&A】「ゴールドの下落要因」について
<Q.> (2013年4月時点)
金の価格が大幅下落しましたが、主な原因って何ですか?
あと、これからの金の価格について皆様の見通しを聞かせて頂きたく存じます。
<A.>
はじめまして、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原と申します。
ご質問にお答え致します。
(2013年4月時点)直近の米ドル建てのゴールド価格の下落は「キプロスの中央銀行が、保有しているゴールドを売却する計画がある」という話についてロイター通信が報じた事だと考えられます。今回、キプロスの中央銀行は、自国の財政再建の為のカネ集めの為に約10トンの保有ゴールドの売却計画を、欧州委員会が査定している「キプロスのカネ集め原案」に組み込まれました。
ゴールドの年間供給量は約4,400トンと言われています。
キプロスの中央銀行がたかだか10トンあまりのゴールドを売却したとしても、総量から考えれば大した量ではありません。
ただ、ここがポイントです。
市場では「欧州で財政難の穴埋め(カネ集め)に、中央銀行が保有しているゴールドを売却する」という手法が今後他の欧州各国でも定着するかも知れない、と考えられたのが今回のゴールド価格下落の大きな要因だと思われます。
スペイン :281トン
ポルトガル:382トン
イタリア :2451トン(米国、ドイツの次の保有量)
これまでゴールド価格の高値を支えてきたのは「新興国勢による買い(インドや中国の実需筋も含む)」と「インフレヘッジの買い」でした。
今後、新興国の買いについては一定の実需買いはあると予想できますが、中国の景気失速などもあるので、以前ほど強い需要は望めない可能性があります。また、インフレヘッジの買いについては、2015年あたらに米ドル金利が上昇する(量的緩和策の出口戦略が示される)場合、ゴールド売りの米ドル買いの資金の動きが想定できます。
今後はゴールドにとっては少しネガティブ材料が多いかも知れません。
ただ、過去から中長期で考えても、高値を更新する度に「バブルだ」と言われてきたにも関わらずゴールドはずっと右肩上がりに上昇し続けています。ポートフォリオの中に一定額は入れておく方が良いと思います。
代表&投資アドバイザー
眞原 郁哉
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