【資産運用Q&A】「GSエマージング社債ファンド1304」について
<Q.>(2013年3月時点)
野村證券「GSエマージング社債ファンド1304」について
野村證券で「GSエマージング社債ファンド1304」というファンドを募集していますが
どうでしょうか?オフショア商品にも興味がありますが大きな特徴はなんでしょうか?
<A.>
はじめまして、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原と申します。
ご質問にお答え致します。
特徴としては、大きく4つ。
1.)購入手数料なし(解約手数料あり・・・6年経過後7年目から手数料なし)
2.)運法管理費が純資産総額に対して約1.7%
3.)JPY建て、USD建て、AUD建ての3通貨コース
4.)毎月分配型ではなく、年四回決算(1回の分配で70円程度予定)
最終平均利回り4.88%
平均格付けBBBマイナス
銘柄数138
国別30
地域セクター 南米42%、アジア28%、欧州18%
商品性としては、新興国(エマージング)債券からの金利収入と今後の債券単価上昇(金利低下)から得られる収入によります。金利と債券単価、為替の経済学的な動きは下記の通りです。
金利↑ 債券単価↓ 為替↑
金利↓ 債券単価↑ 為替↓
今後、新興国の金利が上昇すればその債券単価は下落しますが、高金利の金利収入を得られるという考え方です。また、為替に関しては、USD建ては為替ヘッジをしておらず、 AUD建てはUSD売AUD買の為替取引をして運用するようです。また2015年を目処に米国は利上げをしてくると考えられますので、中長期的(5〜10年)な為替変動には注意が必要となります。また、米国が金利を上げてくると、エマージング債券の短期金利差と米ドル金利差が縮小することになるので、この投資信託の収益の圧迫要因となります。
プラス面としては、毎月分配型ではないので基準価額の上昇を考えて投資をする投資対象ということです。オフショアファンドでは当たり前な考え方ですが、日本の投資信託にしか投資していない投資家にとっても、中長期的な投資として本来あるべき投資手法です。今後、エマージング債券からの投資収益が見込めると質問者さんが考えられている場合、良い投資対象だと思います。
ただ、6年以内の途中換金(恐らく証券マン売却セールストークによって7年目までの保有は考えらないです)の手数料が高いので、コストパフォーマンスを考えると割高な投資対象かと思います。
また、オフショア商品(=オフショアファンド)については、もちろん「GSエマージング社債ファンド1304」や他のオンショア(国内)の投資信託のようにリスク・リターンが様々なものがあります。中長期運用でお考えの場合は様々な経済変動があるので、「売り」も「買い」の両建て運用しているオフショアファンドを一部資産に入れても良いと思います。
※『オフショア投資AtoZ(オフショア投資とは?)』について