【資産運用Q&A】「豪ドル動向」について
<Q.>(2013年2月時点)
豪ドルの動向
豪ドルは今後どのように動くでしょうか?
100円いきますか?
<A.>
はじめまして、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
ご質問にお答え致します。
【前提】
豪ドルに関して、オーストラリア国債の信用格付けは高く、また資源国の優位性、相対的に高い金利水準などのポジティブな要因があるので今後も通貨としての魅力があります。
【データ】
長期でのチャートを添付でつけていますので、こちらもご確認下さい。
ここ4年ほどは1豪ドル=80円を中心に上下5円程度のボラティリティの中推移していました。直近では、AUD/JPYにおいても、円安方向に動きリーマン・ショック前の水準まで円安が進んでいる状況です。
去る2月5日には、豪中央銀行が政策金利を3.0%に据置くことを決定しました。(50年ぶりの低水準での据置決定)
豪国内においては、本日発表された雇用統計に弱さが見られ、これがインフレを抑制しているとのことです。簡単に言うと、現状では利上げよりも「利下げ」方向への流れになっています。
【投資ストラテジー】
今から投資をされる場合には、あくまで中長期で「金利を取る」という運用に徹れば、外貨MMFへ投資しても良いと思います。一方、AUD/JPYでの円安方向になっていくという為替差益を考えられる場合には上値余地は小さく、むしろ円高方向への流れが強いので気をつける必要があります。
1豪ドル=100円台になるかいう点ですが、短期的には一時的に100円台になるかも知れませんが、定着は考え難いです(上値限定=円安方向は限界に近い)。豪州の懸念点を以下2つ挙げます。
懸念1.) 2012年〜直近まで豪経済を牽引してきた資源開発セクターの設備投資が過剰だったので、これは一時停滞すると考えられます。つまり、豪経済は減速傾向になると考えられます。
懸念2.) 最大の貿易輸出国の中国の経済成長失速(約10%成長だったものが約7%程度になる)懸念。
→中国は世界の40%程度の鉄鉱石を消費をカバーする為にもこれまで豪州が輸出をしてきたが、今後はその輸出量が減る。一方で豪州では天然ガス開発プロジェクトが進み、他国への天然ガス輸出が増えるとの見方があります。また中国は現在世界の4%程度しか天然ガスを消費していないので、豪州の輸出への影響が軽微で中国経済との連動性が薄くなるというポジティブな見方もあります。
【結論】
【前提】でもお伝えしましたが、AUDの通貨としての魅力は今後も十分あるので総資産の中で一部外貨建て資産として保有される事をオススメします。豪ドルの運用に関しては、弊社会長の河合圭が過去のブログ記事でまとめているものがあるので、下記ブログをご参照下さい。
※『河合圭のオフショア投資ブログ(豪ドルの運用先)』について
また、通貨は1つに拘らず、ペアで持たれる方がリスク分散にもなります。
代表&投資アドバイザー
眞原 郁哉